世界最大広告賞に学ぶ 生活導線からのアイデア発想法第9回 アイデア分析編(4)

カンヌライオンズでは優れた世界の広告を表彰している
カンヌライオンズでは優れた世界の広告を表彰している

この連載では、「プロが教えるアイデア練習帳」(日経文庫)の著者が、世の中のアイデアを分析しながら、発想力を高めるヒントを見つけます。分析編4回目の今回は、広告クリエイティブの祭典「カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル」で行われたアイデアコンテストの受賞作を分析します。世界の著名クリエイター審査委員が選んだ、最高のアイデアとは?

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世界中の広告クリエイターが集う「カンヌライオンズ」

アイデアに国境はない。そう感じるのは、毎年6月にフランスのカンヌで行われる世界最大の広告クリエティブの祭典、「カンヌライオンズ」の受賞作をみるときです。私も参加したことがありますが、世界中で行われた優れた広告キャンペーンのトップを決める、広告業界のオリンピックのような存在です。

今年は残念ながら中止となりましたが、オンラインで過去作品を公開したり、オンラインセミナーを行ったりと、クリエイティブを刺激する様々な活動を行っているようです。

今回、私が着目したのは、30歳以下の若手クリエイターを対象としたアイデアコンテスト「Young Lions Live Award」です。これは、1つのテーマに対して世界中の若手クリエイターが企画を立案して競うコンペティション形式のイベントです。

今日は、上位5チームのアイデアを分析する中から、私たちの仕事でも応用できるアイデア発想のコツを見つけていきたいと思います。

コンテストのテーマは「食料廃棄問題」

はじめに、今回のアイデアコンテストのテーマを紹介します。今回の課題は、食料廃棄の問題に対する人々の意識を高めるためのキャンペーンを考えること。この広告キャンペーンの主体は、国連世界食糧計画(WFP)だと設定されました。

説明資料によれば、人間が消費するために作られた食品の約1/3(年間約13億トン)が、食べられることなく廃棄されています。一方で、途上国には1億人以上の飢餓に苦しむ人がいるという現実があります。今回の広告キャンペーンを通じて、特に先進諸国の人々に食品廃棄の問題に気づき、問題解決への行動を生み出すきかっけを作り、さらにはWFPの活動への寄付を促してほしい、というのが依頼内容でした。

テーマ発表からわずか10日間程度しか期間がなかったにもかかわらず、世界中の若手クリエイターが参加。最終的には928件の企画が集まりました。早速、激しい競争を勝ち抜いた上位5つのアイデアを、5位から順番に紹介していきたいと思います。

※なお、受賞作品の動画は、2020年7月6日時点で受賞者自身がアップロードしているリンクを掲載しますが、リンクが削除されている場合がありますので、ご了承ください。また、各企画タイトルの日本語訳とイラストは筆者によるものです。

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