腕のGショックは「体育会系」
白いポロシャツ、白のコンバースオールスターハイカットときて、いつも着けているのが黒のGショックである。それも定番モデルのゴツい5500系丸形である。同じスポーツウオッチでも、これがロレックスのサブマリーナーとかオメガのシーマスターだったりしたら今回の都知事選の山本太郎氏への投票はもっともっと少なかったでしょうね。Gショックも、体育会系の万年好青年風スタイルを演出するアイテムとして大正解のセレクトなのだ。

しかしなんでまた筆者が山本太郎氏の格好についてこんなに細かすぎるほど詳しいのかというと、都知事選の最中に近所の駅前で山本太郎氏のゲリラ街頭演説かあって、しっかりソーシャルディスタンスを守りながら熱く政策を語る本人の前でナマ万年好青年スタイルをチェックしたからである。その時に「皆さん、どんどん写真撮ってください。SNSにあげてください。ディスっても全然構いません!」と本人も言ってましたからね。
ちなみに都知事選のポスターも、ラペルに手縫い風のAMFステッチが入ったリネンのネイビースーツで、山本太郎氏が男性候補者のポスターの中でも一番お洒落であった。
まぁもともと、人から見られてナンボのタレント出身ですからね。メロリンキュ~だし。何を着てもそれなりにおしゃれに着こなす術には長けているのだ。参院本会議にグレーのタートルネックのセーターにジャケットで出席して「ノーネクタイは品位に欠ける」と叱られたりもしましたが、そういうヤンチャなところも万年好青年としてしっかり計算ずくなのだ。
そういえば、クールビズを発案したのは越えられなかった百合子山である。もしも山本太郎氏が東京都知事に当選していたら、この夏は都民に「テレワークビズ」なんてスタイルを発案していたかもしれないぞ。もちろん、ポロシャツは白で万年好青年風にパツンパツンで。

1961年静岡生まれ。コピーライターとしてパルコ、西武などの広告を手掛ける。雑誌「ポパイ」にエディターとして参加。大のアメカジ通として知られライター、コラムニストとしてメンズファッション誌、TV誌、新聞などで執筆。「ビギン」、「MEN’S EX」、JR東海道新幹線グリーン車内誌「ひととき」で連載コラムを持つ。

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