22年卒インターン、進むオンライン 「対面」求む学生就活探偵団

アビームコンサルティングの夏インターンは例年対面だったが今年はオンライン(写真は2019年8月、東京都港区)
アビームコンサルティングの夏インターンは例年対面だったが今年はオンライン(写真は2019年8月、東京都港区)

現在の大学3年生である2022年春卒業学生のインターンシップ(就業体験)の募集が始まり、事実上就活がスタートした。新型コロナウイルスの影響による景気の先行き不透明感から学生たちには焦りが見える。一方企業は密集、密閉、密接の「3密」になりがちなインターンを、リモート方式の活用も含めいかに安全に開催できるかに頭を悩ませている。

「コロナがいつ終息するかわからない。就活が本格化する来年まで影響が出ないか不安だ」。早稲田大3年の男子学生はこう訴える。旅行業界などの採用中断に関するニュースを見て、今後の就活に危機感を覚えている。

志望業界はまだ決めていないが、エネルギー関連企業を中心に4~5社のインターンに応募した。9~10月に対面で実施することになっている企業が多いが「予定が変更される可能性もある」とのただし書きがあるケースが少なくないという。

地方出身者はもっと切実だ。筑波大3年の女子学生は東北地方出身。地元企業への就職も選択肢の一つと考えているが「コロナ流行下の長距離移動は控えたいので、インターン説明会に参加できていない」と吐露する。

地方の企業は東京と比べるとインターネット上の情報が少ないため、十分な企業の情報が得られない。「地元の学生に比べて自分はスタートが遅れているのではないか」。焦りは隠せない。

「中間層」も動く

新型コロナの終息が見えない中、学生は授業がオンラインに移行し登校できていないケースが多い。春先に計画されていた学内の就活ガイダンスも中止になったままだ。

一方、新興就活サイトの「ワンキャリア」などが相次ぎ企業説明会をオンラインで開催。就活に関する情報がネット経由で集まりやすくなった側面もある。

採用コンサルタントの谷出正直氏は「例年は3年生の夏は就活への意識の高い層が動くが、今年は不安に思う学生が多く『中間層』も動き出している」と指摘する。

企業にとっても、インターンは自社の求人に関心を持つ学生を集める「母集団形成」において重要な役割を果たしている。大手にとっては同業他社より早く有望学生を取り込みたいし、中小や学生にあまり知られていないBtoB(企業間取引)企業にも学生への認知度を高める機会となる。

ただ新型コロナの感染防止の観点から、企業は従来通りの対面でのインターン実施に二の足を踏んでいる。感染予防のためにオンラインに切り替える企業が増えている。

アビームコンサルティングはそのひとつ。8月の夏インターンを全てオンラインで実施する。米マイクロソフトの会話アプリ「チームズ」を利用。学生を複数のチームに分け課題解決のアイデアを発表させ、指導役からのフィードバックもあるのはリアルと同様だ。

例年通り朝から夕方にかけて開催する1日完結型で、開催日程は9日間、募集人数も約600人と例年と同水準にした。1日時点の応募数は約1万8000人と前年の2倍に迫る勢いだという。

「学生の集中力がオンラインで終日持つのか」。人事チームの間ではオンラインで1日を通して開催することに不安視する声があがった。これについては現場での指導役となるコンサルタントと2カ月かけて議論した。「短くて中途半端になるのは本末転倒。やるならリアルと同じ体験をさせる」。そんな結論に至り、リモート方式でも内容や日程、時間などは変えないことにした。

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