コロナ対策、どうだったのか いのち守るため検証必要海堂尊の死ぬまで生きる(6)「PCR」について

今回のコロナ禍で、大メディアの政権や行政に対し忖度(そんたく)報道し無批判だったことが、今回の惨事につながったことが明白になりました。次の新たな感染症の発生時に同じ失態をさせないため、医療行政の検証を続けなければなりません。そう思っていたら政府は内容の公開と検証をせずに政府のコロナ対策専門家会議の廃止を打ち出しました。以前、日本のコロナ対策は世界最高水準だと安倍首相は胸を張っていましたが、議論の中身を公開せずに世界トップだなんて大笑いです。医学とは多くの間違いの上に打ち立てられてきたので、医師にとって議論を公開するのは基本です。そうしないと江戸時代のまじない医学に戻ってしまいます。

情報公開を忌避したのは政治家と官僚の判断です。安倍政権の「桜を見る会」と「コロナ対策」の対応姿勢が同じなのは「情報統制検閲国家の日本」では常識かもしれませんが、全世界では非常識で物笑いの種になっています。

そういえば2010年に「週刊新潮」で連載し11年に刊行した「ナニワ・モンスター」が現在の状況を予言していると、ジャーナリストの津田大介さんの書評で褒めていただきました。ひとつ訂正すると、それは私の未来予見力ではなく、執筆前年の09年の豚インフルエンザ流行に想を得たものでした。

多くの人は忘れていますが、厚生労働省が当時「PCR検査を帰国者に限定して行う」という大失敗をしたので、物語内に凍結保存したのです。当時私はフジテレビの情報番組「特ダネ」のコメンテーターをしていましたが、打ち合わせでPCR検査適用の不適切さを指摘すると、番組内でなんとかそれを言わせない方向に話を持って行かれたのが印象的でした。

思えばあの頃からテレビ報道では政権忖度、行政忖度があったわけです。でもそのせいで、あれから十年以上たって新型コロナウイルスが襲来した今、厚労省はあの時と同じ間違いを犯してしまいました。

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