荷物の重さを極力減らすことが望ましいとされる登山では、「最低限必要な『必須装備』と、あれば便利な『快適装備』に分けて持ち物を準備しておくが、こうした考え方を防災グッズに取り入れるのもいい」(モンベル)という。余裕があれば普段も使えて、なおかつ避難生活をさらに快適にするものを備えておきたいものだ。
筆頭候補に挙がるのが、スマホを充電できるバッテリー類。スマホを複数回フル充電できる大容量タイプのバッテリーとケーブルをバックパックに入れておけば非常時でも安心だ。LEDランタンと一体型になったタイプや乾電池で充電できるタイプなど用途に合わせて選んでおきたい。
また、水害が増加している日本において防災グッズとしての用途が注目されつつあるのが「ドライバッグ」。本来はバッテリーや衣類など水に濡らしたくないものを保護するために使うものだが、「空気を入れれば浮き袋になるうえ、水を入れればバックパックで軽々と運べる」(アウトドア防災ガイドのあんどうりす氏)。洗剤と衣類を入れて上下に振れば洗濯も可能という。
防災グッズの意外な盲点が靴。動きやすいスニーカーで避難するべきと考えがちだが、雨で濡れたり水たまりに入ったりすると中に水が入り込み途端に歩きづらくなる。そうした際に便利なのが水遊びなどに向く「ウオーターシューズ」だ。「水抜き用の穴があるため、やむを得ず浸水時に避難するときには役立つ」(あんどう氏)。
スマホも充電できるLEDランタン
最大1500ルーメンと驚異的に明るくできる充電式のLEDランタン。明るさや光の色を変える調光機能も搭載する。最も暗いモードであれば最大で約100時間の点灯が可能だ。容量1万mAh(ミリアンペア時)のモバイルバッテリーとしても使え、iPhone 11クラスを2.2回程度充電できる。
ヘッドライトをランタンに
ランタンとして使えるヘッドライトケース。同社の対応ヘッドライトを収納して電源を入れると、光が上部で拡散される。カバー部は軟らかい樹脂でできているため、ヘッドライトを入れたままでも電源操作ができる。底面にはゴムひもとミニフックを用意し、つるして使うことも可能だ。ヘッドライトは別売。
乾電池でスマホを充電する
単3形乾電池4本を使用するモバイルバッテリー。iPhone 8など2700mAhクラスのスマホを0.5~0.7回程度充電できるという。エネループなどの単3形充電池の使用も可能。本体上部にあるスイッチを押すとLEDライトとしても使える。
200メートル先から子供を見つける
Bluetooth採用の発信機。スマホの専用アプリと連携すれば、約200メートル離れた場所からでもLIFE BEACONを付けたカギや子供を検知できる。受信した電波の強さがアプリに数値で表示され、それが強まる方向に向かえばLIFE BEACONにたどり着ける。スノーピーク版では同社のキャンプフィールド限定でヘリコプターでの捜索にも対応する。
大容量バッテリーでスマホを活用
2万mAhの大容量モバイルバッテリー。iPhone 11クラスの大型スマホを4回以上充電できるとうたう。災害時の停電などから電気が復旧するまでに4日かかるとした場合、スマホの使い方にもよるがこの程度の容量があれば持ちそうだ。搭載しているUSBタイプCコネクタは最大18WのPD(Power Delivery)に対応し、急速充電も可能。