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コロナ後の経済 優秀な人材流出がイノベーション生む

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日経ARIA

新型コロナウイルスの感染拡大は、経済にどのような影響を与えるのか。リーマン・ショック再び? もっと大不況がやってくる? ――誰もが気になるこの問いを気鋭のエコノミスト・崔真淑(さいますみ)さんにぶつけました。経済はどうなるのか、そして私たちが取るべき行動とは?

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が今後どう収束していくかが不透明な中、経済予測も、楽観論から悲観論まで非常に不確実性が高いものになっており、経済予測そのものが意味を持たなくなるかもしれないこと。そして、コロナ禍による経済への影響は「リーマン・ショック+東日本大震災+α」レベルのダメージになるかもしれず、今からそれも想定しておかなければならない、と崔さんは指摘します。

優秀な人材がGAFAやGAFA的な企業に吸収される?

コロナ禍の真っただ中の2020年4月22日に驚きのニュースが入ってきました。米フェイスブックがインドの通信大手、ジオ・プラットフォームズに57億ドル、日本円で約6100億円を出資すると発表しました。同社はインドで約4億人の携帯電話の契約を持っています。その親会社であるインド大手財閥リライアンス・インダストリーズ(RIL)の株価は大幅上昇しました。さらに6月19日、リライアンスはジオ・プラットフォームズの上場を発表しています。多くの企業が資金繰りに困っているこんな時期であっても、たくさんお金のある企業もあるということでしょう。

米国では、投資銀行などで働いていたIT(情報技術)系の優秀な人材がリーマン・ショック時に解雇され、GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム)といった巨大デジタル系企業に雇用されることで、のちのフィンテックや人工知能(AI)ブームを生み出したといわれています。

米国と日本は雇用の流動性に大きな違いがあるので単純比較は禁物ですが、こうした動きをポジティブに捉えるとすれば、経済の低迷によって企業が淘汰され、優秀な人材が市場に出るということは、「コロナ後(アフターコロナ)」の経済回復のチャンスであるともいえます。流出した人材が新たなイノベーションを生み出す可能性もあります。さらには、GAFAはもちろん、ソーシャルディスタンスが必要になるといったアフターコロナの世界の価値観にフィットするような商品やサービスの準備を今から始めている、GAFA的な企業の動きも気になるところです。

「アフターコロナ」は、今とは違う世界かもしれない

遅かれ早かれ、この事態が収まったとき、その後に訪れるアフターコロナの時代は、どんな世の中になるのでしょう。既に、私たちの暮らしや意識は大きく変わりました。例えば人との接触を控え、約2メートルの「ソーシャルディスタンス(社会的距離)」を取ることを誰もが意識しています。また、マスク着用での外出が定着し、ファッションブランドのおしゃれなマスクも登場しています。

働き方でも、IT系企業や大企業を中心にテレワーク化が進み、ベンチャー企業の一部では、学生のインターンもテレワークで行われています。医療分野では、期間限定ではあるものの、医療機関での初診での遠隔診療も可能に。今まで「日本では難しい」といわれていたことが、次々と実現されています。

最初は戸惑いながらも「やってみたら慣れた」「意外に便利だった」という経験の後、「コロナ前」の世界にそのまま戻ることは考えづらいでしょう。会議は「重要な会議を除いてオンラインで」が定着するかもしれず、そうなれば「オフィスのコンパクト化」あるいは「オフィスは不要」という変化を起こすかもしれません。そして出勤が減れば、ますます「労働時間の長さではなく、成果で評価する」という方向に、人事評価も変わらざるを得ないでしょう。

こうした変化を定着させるためには、学術的な検証も必要です。例えば、テレワークで本当に生産性が上がるのでしょうか。これについては興味深い論文が発表されています。結論から言うと、単調な仕事の場合はリモートワークによって生産性が下がり、クリエーティブな仕事の場合は生産性が上がるというものです。*1)

*1)E. Glenn Dutcher "The effects of telecommuting on productivity: An experimental examination. The role of dull and creative tasks" 在宅勤務が生産性に及ぼす影響

テレワークで生産性が下がる仕事、上がる仕事

テレワークについてはさまざまな調査研究が行われていますが、これまではテレワークを行った人のみを比較した研究が主でした。この研究が画期的なのは、ランダムに学生を分け、タイピングや文字入力といった比較的単純な仕事と、文章を書くといったクリエーティブな仕事をそれぞれテレワークで行って、生産性を比較しているところです。

結果は、テレワークによって前者は6~10%生産性が落ち込み、後者は11~20%生産性が上がりました。

推測できる理由としては、単調な仕事は人と競い合うことで生産性が上がり、クリエーティブな仕事は一人で行うことで生産性が上がるということです。これは私たちの経験から納得できることでもあり、今まで何となく感じていたことが、実験によっても明らかになったといえます。こうした研究を踏まえて、テレワーク向けの業務と出勤して行う業務の区分けが、より細かく行われていくことになるかもしれません。

アフターコロナに備えてビジネスパーソンがすべきことを考えてみましょう。在宅勤務などで出勤が減っている今、隙間時間を活用して仕事に役立つようなスキルを身に付けるのはもちろんですが、不確実な未来に向けたサステナブル(持続可能)な能力をより磨くために、本当にやりたいことに挑戦してみるチャンスでしょう。

「セレンディピティ」の機会をどう得るのか

今、私たちは人と会わなくなっています。それは寂しいことではありますが、プラスに捉えれば、周りと自分を比べなくて済むということです。つい同僚と自分を比べてしまって苦しい、という状態を離れ、自分にとって本当に必要なことは何かを考え、身に付けることができる時間だと感じています。

私自身は、これまでは人との偶然の出会いによって、多くの情報を収集していたことに気がつきました。例えば、交流の場でたまたま初対面の方と話したことがふとした気づきにつながる、そうしたセレンディピティ(偶然の出会いや発見)が、私にとってチャンスになっていたのです。

人と会う機会が減り、オンライン上で交流することが多くなった今は、SNS(交流サイト)上の自分のプロフィルを充実させ、フェイスブックやツイッターでこまめに意見を発信していくなど、より自分の専門性を磨いて発信することを心掛けていこうと思っています。人との交流の方法が変わっても、セレンディピティをキャッチできればいいと願っています。

崔真淑
エコノミスト/Good News and Companies代表。1983年生まれ。神戸大学経済学部卒業後、大和証券SMBC金融証券研究所(現:大和証券)へ。株式アナリストとして活動し、最年少女性アナリストとして株式解説者に抜てきされる。2012年に独立。経済学を軸にニュース・資本市場解説をメディアや大学等で行う。若年層の経済・金融リテラシー向上をミッションに掲げる。一橋大学大学院(ICS)卒業。現在は一橋大学大学院博士後期課程所属。

(取材・文 阿部祐子)

[日経ARIA 2020年5月8日付の掲載記事を基に再構成]

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