適才適所に人をアサイン 日々並走してチームの成果をオンライン時代のマネジメント術(下) オイシックス・ラ・大地 人材企画室室長 三浦孝文氏

先ほど、「メンバーからの報告や各種アクションにきちんと反応する」ことが大切だと話しましたが、これらの報告に対して、どのような業務を遂行し(それは自身の目標にどうひもづいているか)、振り返って実際どうだったかを、1対1でフィードバックしながら確認するのは、マネジメント側の重要な仕事だと考えています。

「管理する」のではなく、目標を明確にして目標に対して夢中になれるよう一緒に並走する。そういった基本に忠実でいつつ、個人に向き合うことが、オンラインでの個人に対するマネジメントではより重要になっていると思います。

もちろん、メンバー自身が集中する環境を整えていくことは大前提としてありますが、個人の集中を阻害する何かをマネジメントする側が把握し、共に解決していく必要があると思います。

自分だけでやりすぎないこと

最近、マネジメントの中でも、経営と現場をつなぐ「ミドルマネジメント」の役割が高まっていることを感じます。一方で、マネジメントに対して、全知全能の神であるかのような、何もかもを求めているような風潮を感じることもあります。

よく言われることですが、私が個人としても常に意識しているのは、「マネジメントは役割」ということです。

ミッション、ビジョンにひもづく目標達成に向けて、経営陣や事業責任者と対話しながら、適材適所に人をアサイン(割り当て)することをリクエストし、仕組みを整え、個人の成長を支援すること。それが、マネジメントに求められる役割であると考えています。

さらに、メンバーに向き合う上でも、何でも自分一人でやろうとするのではなく、チームメンバー、上司、他チームなど、周囲に頼ることを忘れてはいけないと思っています。

自分一人でやるには限界があります。「個人でやるよりもチームでやるほうが大きな成果を上げられる」と信じているからこそ、チームマネジメントを重要だと捉えて取り組んでいるわけですから、何もかも自分一人で抱えることがいい結果につながらないことは、容易に理解できるはずです。

個々人の関係性にも相性、得意・不得意があります。そういったときに、「縦・横・斜め」で誰がそのメンバーとの相性がよく、成長を支援できるか考え、マネジメントしてその関わり方をデザインする。時には自ら手放すこともまた、マネジメントの一つなのではないかと思います。

コロナ以前に比べて、インターネットを通じて働き方の選択肢はより多様になりました。その裏側にあるのは、個々人の暮らし方、生き方への希望といってもいいかもしれません。家族や友人、地域とのつながりを感じながら、働くだけでない日々の暮らしを充実させたい。そういった思いをもって生きてきた人にとって、コロナはそれを加速させるものになるのかもしれません。

これまでは働き方の土台になっていた暮らし方や生き方自体を、個人が個々のバックグラウンドからも主体的に選べるようになり、「働く」と「暮らす」や「生きる」が重なっていく。そんな時代がきています。マネジメントとして意識しなければならないのは、メンバーをただ会社の目標に向かわせるだけでなく、個人の中にある「暮らす」「生きる」の根っこを見つめ、「働く」の犠牲にするのではなく、「暮らす」「生きる」につながる働き方を必要に応じて支援していくことなのかもしれません。

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三浦孝文
1987年大分県別府市出身。2010年関西学院大学を卒業、モバイル広告会社D2Cで社会人生活をスタートし採用全般を担当。14年、クックパッド採用グループに中途入社、子会社の独立を見届けた16年末に退職。17年1月より現職。社外では、HRコミュニティー「人事ごった煮会」の発起人、さとなおオープンラボ7期生、adtechtokyo 2020 公式スピーカー。

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