始まりは小説風で スープストックトーキョーの企画書第9回 ストーリー思考

目標や計画を自分事にするには?

皆さんの職場では、何らかの目標が設定されていると思います。「売り上げ〇〇億円達成する」「顧客満足度ナンバーワンを目指す」「業務効率を20%向上する」といったように。

加えて、「誰が」「いつまでに」「何を」しないといけないか、行動計画があるはずです。そうしないと、目標の達成は絵に描いた餅になりかねませんから。にもかかわらず、目標になかなか達しないとしたら、何が足らないのでしょうか。

いくら素晴らしい目標を掲げても、緻密な計画を立てても、実際に動くのは人です。単に、押しつけるだけでは心もとなく、しっかりと腹に落として“自分事”にしないといけません。

それは、一人ひとりが、「自分がやらないと誰がやるんだ」「今やらないといつやるんだ」という気持ちになることです。そんな人たちが一枚岩になって頑張るからこそ、目標が達成できます。

そのために活用してほしいのが「ストーリー思考」です。文字通り「物語」(ストーリー、シナリオ、ナラティブ、エピソードなど)を使って物事を考える思考法です。

たとえば、顧客満足度ナンバーワンという目標を掲げているとしましょう。それを達成すると、どんな状況が生まれるのでしょうか。それはいつのどこの話ですか。どんな人がそこにいますか。その人たちは、何を考えて、何をしているでしょうか。なぜ、そうするのですか。

こんな風に、目標が達成したときの状況を5W1H(What、Who、When、Where、Why、How)に展開して、誰もが同じイメージできるようにしておきます。その上で、一人ひとりが何をすればよいか、目標達成へのシナリオをつくるのです。

未来をバーチャルに体験できる

私たちは、映画、TVドラマ、小説、落語といった物語が大好きです。いつの間にか、ストーリーにどんどん引き込まれ、胸打たれて涙することもあります。

物語では、生身の人間の具体的な経験が語られます。それを聴くことで、あたかも自分が体験したような感覚が得られます。疑似(バーチャル)体験させる力を持っているわけです。

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