指揮者型リーダー育てる「すずかんゼミ」 原点は灘高鈴木寛・東京大学教授兼慶応義塾大学教授(下)

そこに青山学院大学在学生の川辺健太郎さんも参画しました。電脳隊というITベンチャーを設立したころで、ゼミでは塾頭のような役割を果たすようになった。関西でもゼミを立ち上げ、大阪大学の学生だった佐藤大吾さん(現在はNPO法人ドットジェイピー理事長)が中心的な存在になった。

当初は有志が集まる自主ゼミとしてスタートしましたが、退官後に慶応や東大で教えるようになってからは、100人規模のインカレ型のゼミとしました。目標は明確で情報社会における「ソーシャルプロデューサー」の養成です。起業家だけでなく、官僚や民間企業の次世代リーダーも輩出していますね。

教え子には、川辺さんを筆頭にスマートニュースCEO(最高経営責任者)の鈴木さんやユーグレナ社長の出雲さん、NPO法人フローレンス代表理事の駒崎弘樹さん、NPO法人カタリバ代表理事の今村久美さんなどたくさんいます。今村さんらのやっている地域の課題解決に取り組む「全国高校生マイプロジェクトアワード」には今や1万人近い高校生が参画している。すずかんゼミには高校卒業直後の学生が入ゼミを望むようになっています。

ゼミには「PCCP」と呼ぶ独自のメソッドがある。

まずフィロソフィーを決め、コンセプト、コンテンツ、プログラムをつくるというやり方です。一般に「PDCAサイクル」という方式がありますが、「自分の人生の中で変わらない軸」、「最も大切にしたいバリュー」とは何かを考え、フィロソフィーを固めるというのがゼミの特徴。みんなが一番頭を悩ますところでゼミ生同士が激しい議論を展開していきます。

我々が育てたいのは20世紀型の「俺についてこい」というマッチョ型のリーダーではなく、まずビジョンを示し、みんなをまとめて成果を上げる指揮者型のリーダー(ソーシャル・オーケストレーター)です。改めて考えてみると、灘時代のサッカー部やバンド活動、同級生らと一緒にやった行事や勉強が「すずかんゼミ」のベースになっていると思います。

(代慶達也)

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