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コロナ禍での介護と仕事両立 テレワークを有効に使う

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NIKKEI STYLE

新型コロナウイルス禍で一部の介護サービスが休止し、介護を担う働く介護者の生活を直撃した。統計では介護者は男性より女性が多く、再び感染拡大する懸念もある。新常態での仕事と介護の両立に必要なことは何か。介護者や企業の対応を追った。

「母親が通っていたデイサービスが通所停止に。目に見えて様子がおかしくなって、どうすればいいのかと思った」。福岡県在住の女性会社員は振り返る。

要介護認定を受けて一人暮らしをする母親は、デイサービスに週2回通っていた。3月に通所停止になり、しばらくして母親は言葉が出てこない、ろれつが回らない状態になった。ケアマネジャーに相談し、別の施設に移った。「感染は怖かったが、母親の状態はかなり良くなった。移動先もいつ閉まるかわからないので不安」

三菱UFJリサーチ&コンサルティングが5月に実施した調査では、介護が必要な家族が介護サービスを利用する1094人のうち、新型コロナの影響を受けたのは4割強にのぼった。内容(複数回答)は「自主的に利用を控えた」が最も多かったものの、事業所や施設側の事情で利用回数が減る、利用できなくなるケースがあった。

「第1波」では移動や出社を避けるために、多くの企業が全社的な在宅勤務やテレワークを導入。社会全体に柔軟な働き方と理解が広がり、働く介護者にも有効だった。

武田薬品工業では2月中旬、テレワーク勤務を推奨した。グローバルIT部門で働く柳田美奈子さんは要介護認定を受けている父親の体調が思わしくなかったため、2月下旬から実家でテレワーク勤務することにした。それまではオフィスの方が仕事しやすいと考え、テレワークは半年に1回程度だった。「思い切ってやってみた。コロナがなかったら会社に制度はあったものの、私自身が消極的なままだったと思う」

その後、父親は入院。その際は有給休暇やフレックスタイム、4月導入のファミリーサポート休暇などの制度を利用することで、実家で午前や夜に業務を進め、午後は介護プランの相談や病院への見舞いにあてられた。実家には緊急事態宣言が終わるまでを過ごし、現在は、実家と自宅を行き来しながらテレワーク勤務を続けている。

関西に要介護の父親と要支援の母親がいる東京在住の女性会社員は3年前から週1回在宅勤務をしていた。「コロナ前は上司や同僚の理解を得るのが難しかったが、コロナのおかげで在宅勤務がしやすい雰囲気になった」という。

父親が通うデイサービスはコロナ禍で休業し、月1回の帰省も不可能に。家にこもる父親が心配でケアマネジャーに相談し、訪問リハビリサービスの回数を増やした。今は在宅勤務が中心で通勤時間などが減少し、「両親やケアマネジャーと電話で話す時間が増えた」。

政府は2016年に閣議決定した「ニッポン一億総活躍プラン」で、20年代初頭までの「介護離職ゼロ」を目標に掲げ、要介護者を受け入れる施設環境の整備や改正育児・介護休業法の17年施行で企業の介護支援策の充実を促した。在宅勤務やテレワークもあったが、今ほど浸透しなかった。

厚生労働省の雇用動向調査では介護・看護を理由とした離職者は18年で9万8400人。女性は7万9500人と全体の8割をしめる。そして介護・看護を理由とする離職率は要職に就き始める40代以降の数値が高い。

大成建設の国際設計部で働く尼崎親良さんは、現在、心不全で入院中の父親が退院したら、介護と仕事の両立生活が始まることになる。

同社では06年から女性活躍推進とともに、介護離職をさせないために社員の支援に注力している。法定日数を上回る介護休業や介護休暇の制度を整え、デイサービスの送迎時間などに応じられるよう、勤務時間の繰り上げ・繰り下げといった支援策をそろえる。管理職の理解を深めるため、本人と上司、人事担当者の「三者面談」を実施する。

「会社や行政の制度を組み合わせれば色々な選択肢ができる」と尼崎さん。一方で「平時でも大変なのにコロナという想定外が起きた。入院中の父親と面会できず、今後の話もできない」と不安もある。

人材いきいき推進室の塩入徹弥さんは「感染拡大によって、介護施設などに親を託し、出社している社員の状況が変わる可能性はある。次の手立てを考えなければならない」と明かす。

在宅勤務の難しさとして、第1波では休園・休校中の子供の世話が注目された。働く介護者にも介護サービスの停止や利用控えが影響した。新常態では状況に応じてケアマネジャーや施設など、複数の関係者との調整が生じることを前提にする必要がある。

現状では女性に偏りがちな介護だが、未婚率の高まりや共働き世帯の増加を背景に、男性も担うことになる。介護問題に詳しい三菱UFJリサーチ&コンサルティングの矢島洋子氏は「企業の介護者支援は長期休業の仕組みよりも、テレワークや短い単位の休暇といった柔軟な働き方を今後も続けられるようにすることが重要」と指摘。また、介護が始まるのは要職に就く年代のため「柔軟な働き方への罪悪感が強くなりがちになる。企業は介護前から情報提供をしていくべきだ」という。

労使で最適解を模索

介護サービスは高齢者の暮らしに欠かせないものであると同時に、仕事をしながら高齢者を見守る会社員にとっても重要なインフラだ。今回、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、デイサービスを中心に休止や事業縮小が相次いだが、同様の事態が起きたときにサービスをどう維持していくかが今後の課題になりそうだ。

世間では、これまでやりにくい雰囲気もあった在宅勤務やテレワークが緊急的に広がった。取材では「このまま在宅勤務が続けられたらいいのに」や「コロナがある限り在宅勤務ができて助かる」など、柔軟な働き方を続けてほしいという声は多かった。ただ企業からは「生産性が確実に落ちている」との見方も出ており、労使が知恵を出し合って双方にとって持続可能な働き方の模索が求められている。

(高城裕太)

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