量産機になるな キャリアの競争力を高める読書法とは第1回 あるコンサルタントのキャリア戦略

大人の読書には、戦略が必要です

それからすぐに、楽しむだけの読書、ビジネスのためだけの読書から、自分の独自性をつくり上げるための読書にシフトさせました。

楽しむことを止めたわけではありません。ビジネス知識の吸収を止めたわけでもありません。でも、自分を自分であり続けるさせるために、単なる折衷でも平均でもない、独自のバランスや読み方が必要でした。それが、後述する「読書ポートフォリオ・マネジメント(RPM)」であり、「ワリキリ読書」であり、「5つの視点での読書」でした。本棚や書斎の持ち方、にもこだわりました。

それらは決して一度にできたわけではありません。私自身が社会人になってからの30年間、試行錯誤しながら編み上げてきた「戦略的な読書法」なのです。

経営コンサルタントとして、立派な大人になるって存外難しいことでした。

実際に経験していないことでも、知識を得て現場や当事者の心を想像し、それへの問題点指摘や独自の解決策の立案が必要でした。クライアントからは大きなコトから小さなコトまで何でも質問されるので、常に独自のしゃれた見解を持っていることを期待されていました。

思いっきり背伸びをしていたので、いつも相手は、自分の10歳も20歳も上の人たちでした。その人たちに「こいつ意外とやるな」と思ってもらわないと、まったく仕事になりません。それを数カ月ごとに、初めて触れる業界・初めての人たち相手に、やり続けないといけませんでした。

そのための私の最初の武器が「読書」でした。読書がどうヒトをつくるのかを感じ、考え、自らをもって実践し続けてきました。今回上梓(じょうし)した『戦略読書〔増補版〕』は、その個人的物語(ストーリー)であり、そのノウハウの集大成です。私流の「戦略読書」を、ぜひ楽しみながら、味わってみてください。

連載の流れ

次回からはキャリア論と読書法、本紹介を織り交ぜながら書いていきます。

第2回 キャリアと読書:読書ポートフォリオをダイナミックに変える
第3回 キャリアと読書:本紹介(1)SFで未来に立ち向かう
第4回 キャリアはどうつくるのか、今どきのキャリア論
第5回 キャリアサバイバル(1)効率アップ
第6回 キャリアサバイバル(2)本や資料の読め方を変える
第7回 キャリアサバイバル(3)決める力・伝える力は重要思考で
第8回 キャリアと読書:本紹介(2)歴史・プロ本で気迫を醸成する
第9回 私的キャリア論(1)パラレルキャリア
第10回 私的キャリア論(2)バリュー・ニッチ戦略

連載が終わる5カ月後、世界はどう変わっているでしょう。そして読者の皆さんは、どう自身の「キャリア」と「読書」に向き合っているでしょうか。

三谷宏治
KIT(金沢工業大学)虎ノ門大学院教授。
1964年大阪生まれ、福井育ち。東京大学理学部物理学科卒業後、BCG、アクセンチュアで19年半経営戦略コンサルタントとして活躍。92年INSEADでMBA修了。2006年から教育分野に活動の舞台を移し、年間1万人以上に授業・講演。無類の本好きとして知られる。著書に『経営戦略全史』『ビジネスモデル全史』『新しい経営学』など。『お手伝い至上主義!』『戦略子育て』など戦略視点での家庭教育書も。早稲田大学ビジネススクール・女子栄養大学で客員教授、放課後NPOアフタースクール・認定NPO 3keysで理事を務める。永平寺ふるさと大使、3人娘の父。

戦略読書 〔増補版〕 (日経ビジネス人文庫)

著者 : 三谷 宏治
出版 : 日本経済新聞出版
価格 : 1,100円 (税込み)

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