日経Gooday

ルール3 「40秒首筋トレ」で首や頭を持ち上げ、「カメ」から「ヒト」の首に戻るべし

――平泉医師「『首ほぐし』に加えて、『40秒首筋トレ』を行えば、首がしっかりと頭を支えられるようになりますので、『カメ首』予防になりますよ」

「筋トレ」というと、少々ハードルが高い気もする。

――平泉医師「いえいえ、そんなに仰々しく考える必要はありません。軽く押すだけですから。ただし、『首ほぐし』で楽になった首と頭をちゃんと起こし、良い姿勢をキープしながら行うのがこの筋トレのポイントです」

【STEP1】 両手を組んで後頭部の首近くにあてる。軽く後ろへ頭を倒し10秒間止める。呼吸を止めないように気を付けよう。

――平泉医師「これを行うことで、後頭部から背骨をつなぐ『頸板状筋(けいばんじょうきん)』と首の後ろから肩、背中まで広がる僧帽筋の筋トレができます」

【STEP2】 組んだ両手を額にあてる。アゴを引きながら額を手に押し付けるように10秒間プッシュ。

――平泉医師「こうすることで、首の側面で重い頭を支えている左右の胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)の筋トレになります」

【STEP3】 右手を右ほほにあて、ほほを右手に押し付けて10秒間キープ。左側でも同様に行おう。

――平泉医師「首側面の胸鎖乳突筋の収縮を左右片側ずつ行います。

ここまでやれば、四方向の筋トレ、つまり筋収縮を行えますので、首の筋肉を流れる血流が改善されて筋肉が温まり、ほぐれやすくなります。私も、首がすっきりとする感覚があるので、診察などの合間によくやっていますよ」

私もやってみた。最初は手と頭を押しあう力加減が難しく感じたが、むやみに押すのではなく、頭を手にもたれるように軽く押す程度で十分に効果を発揮できることが分かった。終了後には首回りがポカポカと温まってくる。押し付ける時には息を止めがちなので、息を止めないようにすることだけ注意をしよう。

――平泉医師「まずは『首ほぐし』、続いて『首筋トレ』をすることで、だいぶ首周りが軽く感じられると思いますよ」

「カメ首」になってしまうと、垂れ下がった首を上げるのが難しくなる。しかし、この「40秒首ほぐし」と「40秒首筋トレ」で、首の痛みをやわらげて頭を上げやすくなるのは間違いない。合計80秒の体操を毎日続けることは、「カメ首」から「ヒトの首」に戻るために大切な習慣だ。

次回は、さらに肩から背中の姿勢を改善し、コリと痛みを撃退する「肩甲骨ほぐし」と「脇伸ばし」で、「カメ首ストレス」を完全に解消する。

(イラスト 平井さくら)

平泉裕さん
昭和大学医学部整形外科学講座客員教授。医療法人社団輝生会 船橋市立リハビリテーション病院。1982年昭和大学医学部卒業、87年医学博士。2002年同大学医学部整形外科学教室助教授、07年同准教授、13年同教授、16年より現職。日本整形外科学会専門医、日本スポーツ協会公認スポーツドクター、日本リハビリテーション医学会専門医なども務める。
結城未来
エッセイスト・フリーアナウンサー。テレビ番組の司会やリポーターとして活躍。一方でインテリアコーディネーター、照明コンサルタント、色彩コーディネーターなどの資格を生かし、灯りナビゲーター、健康ジャーナリストとして講演会や執筆活動を実施している。農林水産省水産政策審議会特別委員でもある。

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