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肩・首コリの原因「カメ首」急増 3ルール守って撃退

ストレス解消のルール

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NIKKEI STYLE

日経Gooday(グッデイ)

街ににぎわいが戻ってきた。とはいえ、コロナショック前とは様子が違う。マスクなどの感染症対策が当たり前になっているのはもちろんだが、気になるのは、「カメ首」が目立つことだ。カメのように首を突き出し、頭に引きずられるように体が重そうについてきて前へ進む。大人のカメだけでなく「子ガメ」もいる。信号待ちでたまった人々の姿はさながら、「カメ首」の軍団だ。

私、健康ジャーナリスト結城未来もショーウインドーに映った自分の姿にがく然とした。……カメなのだ。前に突き出した首の上に乗っている顔の表情は、心なしか苦しそうにも見える。数カ月のテレワーク生活で、ヒトからカメへの変貌を遂げてしまったとしたら、あまりにも悲しい。どうやら、体の上半身に痛みを訴える声も大きくなっているようだ。そこで、昭和大学医学部整形外科の客員教授 平泉裕医師のところに駆け込んで、「カメ首ストレスを解消するためのルール」を教わることにした。

――平泉医師「『カメ首』とは、的を射た名前ですよね。今、多くの人に見られる不良姿勢は、『カメ』そのものです。背中は丸まり首やアゴが前に出たカメのような姿勢のために、不調を訴える患者さんが目立ちます」

「カメ首」姿勢はどういった不調をもたらすのだろうか?

――平泉医師「肩コリ、首コリ、頭痛、眼精疲労です。『首が重くて頭が上げられない』『首から肩と上腕に痛みが走る』、『首を切り落としたい』という訴えまであります。先ほど来院した患者さんは、まさに『カメ首』症状でしたね。レントゲンを撮ると、アゴが前に出てしまっていることも確認できました。『首が痛くてつらいので、痛み止めをもらって横になって休みたい』と言われたので、『痛み止めや休むことだけでは改善しませんよ』と、ご説明したところです。ちなみに、私も毎晩原稿を書いているせいか、すぐに首の後ろの筋肉が疲れて痛くなりますので、そのつらさはよく分かります」

テレワーク、長時間のスマホが「カメ首」の原因か

「カメ首」が目立つようになったのは、テレワークの影響もあるのだろうか?

――平泉医師「やはり、大人はテレワーク、お子さんはオンライン授業や長時間のスマホ操作を続けていたための影響が大きいでしょうね。縮こまった姿勢で画面をのぞき込み続けると、背中は丸まり首が前に出てきてしまいます。すると、首と肩甲骨をつなぐ『肩甲挙筋(けんこうきょきん)』や首の後ろから背中にかけて肩甲骨を覆う『僧帽筋(そうぼうきん)』などが硬直。疲労性の痛みになります」

つまり、こういうことらしい。成人の頭は体重の十数%といわれている。体重50kgなら、頭部は5kg以上の重さ。米袋をのせて歩いているようなものだ。その重さを支えるのが首から背中にかけての筋肉だ。頭が体の真上にあればバランスよく支えられるが、長時間のパソコン作業やスマホ操作などで体を丸めて首を前に突き出すカメ首姿勢を続けてしまうと、前に頭が倒れるために重心が崩れ、首や背中の筋肉が引っ張られてしまう。結果、筋肉は緊張を強いられ疲労してしまい、首コリや肩コリなど上半身の不調を引き起こすことになるのだ。

カメ首姿勢

――平泉医師「カメ首を放っておくと、頭がどんどん前に垂れ下がって上げられなくなる『首下がり病』になる危険もあります。私の病院では、年に数名の患者さんがこれで手術を受けるほど悪化しています」

たかが姿勢、されど姿勢。「カメ首」を、ただの「姿勢の悪さ」や「疲れのせい」だと侮ってはいけないようだ。「カメ首」から解放されるために「カメ首ストレス解消のルール」を教わろう。

【「カメ首」ストレス解消のルール】
1.頭も肩も体の前にあってはいけない。頭は体の真上、肩は体の後ろにあるものと心得よ
2.「40秒首ほぐし」で首コリ撃退にいそしむべし
3.「40秒首筋トレ」で首や頭を持ち上げ、「カメ」から「ヒト」の首に戻るべし
4.「30秒の肩甲骨ほぐし」で背中から「甲羅」を取り去るべし
5.「20秒の脇伸ばし」で縮こまった体を伸ばして、呼吸とココロを楽にすべし

ルール1 頭も肩も体の前にあってはいけない。頭は体の真上、肩は体の後ろにあるものと心得よ

理想的な姿勢を確認しよう。

――平泉医師「頭も肩も、体の前にきてはいけません。本来、重い頭をバランスよく支えるには、頭は体の真上に、肩は体の後ろにあるべきなのです。肩が前にあるということは、背中が丸まり、頭が前に出てしまっている証し。常に意識して肩を後ろに引き、頭を体の真上に戻すようにしましょう」

ルール2 「40秒首ほぐし」で首コリ撃退にいそしむべし

「カメ首」解消には、まずは首を上げる姿勢が大切だ。とはいえ、「首が辛くて頭が上がらない」という声も少なくないだろう。かくいう私も原稿を書く時間が長いせいか、常に首から肩にかけて鉄板が入ったように重くつらい。そのため、意識して姿勢を正しても、気づけばすぐに「カメ首」姿勢に戻ってしまう。まずは、つらい首をなんとかしたい。

――平泉医師「では、まずは首をほぐしましょう。ただ、痛みやコリを感じている首をむやみに回したり乱暴に動かすのは控えてください。首の神経を圧迫して首を傷めるリスクがあります。特に中高年以上になると、老化で骨と骨の間のクッションである椎間板が擦り減るので椎間関節に負荷が増え、ちょっとした刺激にも関節症を引き起こしやすくなっています。じんわりと伸びるのを確認しながら、深い呼吸とともにゆっくりと行ってください」

(1)首を前後左右に倒して、準備体操

(2)右手を頭の上から左側の耳やほほを触り、息を吐きながら手の重みを使って右側にゆっくりと頭を倒して10秒。首から肩にかけての伸びを感じよう

(3)同様に左手で左側に首を傾けて10秒

(4)背筋を伸ばして頭の後ろで両手を組む。息を吐きながら手の重みで頭を下げ、アゴを胸に近づけて10秒。首から背中にかけての伸びを感じよう

(5)息を吸いながらアゴをゆっくりと上げ、息を吐きながら首を後ろへ倒して10秒

1セット40秒だ。私も早速やってみた。首が痛んでいるので、ゆっくりと息を吐きながら慎重に首を倒していく。最初は動かしにくく、なかなか伸びない。だが呼吸とともに続けていくと、まるで鉄板からサビが落ちて、ゴムに変わったかのようにスムーズに伸びる。首だけでなく、肩や背中も伸びて気持ちが良い。頭の重みも感じられなくなり、首や肩が軽やかだ。

――平泉医師「これを毎日続けていくうちに、コリ固まった首がほぐれていきます」

ルール3 「40秒首筋トレ」で首や頭を持ち上げ、「カメ」から「ヒト」の首に戻るべし

――平泉医師「『首ほぐし』に加えて、『40秒首筋トレ』を行えば、首がしっかりと頭を支えられるようになりますので、『カメ首』予防になりますよ」

「筋トレ」というと、少々ハードルが高い気もする。

――平泉医師「いえいえ、そんなに仰々しく考える必要はありません。軽く押すだけですから。ただし、『首ほぐし』で楽になった首と頭をちゃんと起こし、良い姿勢をキープしながら行うのがこの筋トレのポイントです」

【STEP1】 両手を組んで後頭部の首近くにあてる。軽く後ろへ頭を倒し10秒間止める。呼吸を止めないように気を付けよう。

――平泉医師「これを行うことで、後頭部から背骨をつなぐ『頸板状筋(けいばんじょうきん)』と首の後ろから肩、背中まで広がる僧帽筋の筋トレができます」

【STEP2】 組んだ両手を額にあてる。アゴを引きながら額を手に押し付けるように10秒間プッシュ。

――平泉医師「こうすることで、首の側面で重い頭を支えている左右の胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)の筋トレになります」

【STEP3】 右手を右ほほにあて、ほほを右手に押し付けて10秒間キープ。左側でも同様に行おう。

――平泉医師「首側面の胸鎖乳突筋の収縮を左右片側ずつ行います。

ここまでやれば、四方向の筋トレ、つまり筋収縮を行えますので、首の筋肉を流れる血流が改善されて筋肉が温まり、ほぐれやすくなります。私も、首がすっきりとする感覚があるので、診察などの合間によくやっていますよ」

私もやってみた。最初は手と頭を押しあう力加減が難しく感じたが、むやみに押すのではなく、頭を手にもたれるように軽く押す程度で十分に効果を発揮できることが分かった。終了後には首回りがポカポカと温まってくる。押し付ける時には息を止めがちなので、息を止めないようにすることだけ注意をしよう。

――平泉医師「まずは『首ほぐし』、続いて『首筋トレ』をすることで、だいぶ首周りが軽く感じられると思いますよ」

「カメ首」になってしまうと、垂れ下がった首を上げるのが難しくなる。しかし、この「40秒首ほぐし」と「40秒首筋トレ」で、首の痛みをやわらげて頭を上げやすくなるのは間違いない。合計80秒の体操を毎日続けることは、「カメ首」から「ヒトの首」に戻るために大切な習慣だ。

次回は、さらに肩から背中の姿勢を改善し、コリと痛みを撃退する「肩甲骨ほぐし」と「脇伸ばし」で、「カメ首ストレス」を完全に解消する。

(イラスト 平井さくら)

平泉裕さん
昭和大学医学部整形外科学講座客員教授。医療法人社団輝生会 船橋市立リハビリテーション病院。1982年昭和大学医学部卒業、87年医学博士。2002年同大学医学部整形外科学教室助教授、07年同准教授、13年同教授、16年より現職。日本整形外科学会専門医、日本スポーツ協会公認スポーツドクター、日本リハビリテーション医学会専門医なども務める。
結城未来
エッセイスト・フリーアナウンサー。テレビ番組の司会やリポーターとして活躍。一方でインテリアコーディネーター、照明コンサルタント、色彩コーディネーターなどの資格を生かし、灯りナビゲーター、健康ジャーナリストとして講演会や執筆活動を実施している。農林水産省水産政策審議会特別委員でもある。

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