メガバンク勤務35歳 高年収捨てても転職する決め手はミドル世代専門の転職コンサルタント 黒田真行

銀行員の転職、今からできる準備とは?

銀行の場合、業務の特性上、人事評価は減点主義となりがちです。この評価制度の枠内で働いていくと、どうしてもある種の癖が身についてしまいます。転職市場で勝負をする場合には、この銀行独特の癖がでてしまわないように意識することが重要です。

減点主義は、ビジネスの基盤が安定して人材要件が綿密に定義された業界で採用されます。これはつまり、ビジネスが硬直化し、仕事が定型化していることを意味しています。ルーティン化された仕事で、かつミスを起こさないことが重視される世界では、極端にいえば、大過なく日々の勤務時間を終えること以外は、何もしないことを是とする行動パターンになりがちです。

新しいことにチャレンジしようとするスタンスや、非合理・不条理なことを排除し改善していこうとする行動が当たり前ではなくなっている可能性があります。特にベンチャー企業では、それらがむしろ求められる人材要件になっていることもあるので、特に10年以上、この環境に慣らされている場合は、気づかないうちに習慣として身についてしまっていると思っておいたほうがいいでしょう。

そのうえで準備すべき行動としては、まずは圧倒的な情報収集です。インターネットメディア、ビジネス交流サイト(SNS)や若手ビジネスパーソン向けのニュースサイトなどで情報を集めることはもちろん、転職サイトの検索閲覧、職務経歴登録でスカウトを受信できる態勢をつくることなどが最初にやるべきことです。いきなり転職活動を始める前に、1カ月程度でもしっかり相場情報を収集する時間に充てるのが理想です。

逆に、付け焼き刃的に資格取得を目指したり、英語の勉強を始めたりする必要はありません。まずは冷静に現在の自分の市場価値を知ることに集中してください。

転職サイトを経由して、どんな企業のどんな職種でオファーがやってくるのか、その仕事内容や年収水準を見ることによって、銀行以外での自分の市場価値の相場観が見えてくると思います。また、転職サイトでいろいろな条件、職種で検索してみて、検索結果一覧に表示される求人の件数、求人内容を比較検討して、世の中の需要ボリュームを確認してみることも重要です。

ある程度、相場観が持てた段階で、転職エージェントに登録して、ウェブ面談などでコンサルタントに相談してみることもおすすめします。できれば時間の許す限り、複数のエージェントに相談することでより客観的に市場が見えてきます。

この段階から、実際に求人企業へのエントリーを開始します。面接まで進むことができれば、雇用する側の視点を持ち、1社1社の戦略や方向性を調べて、自分がどのような貢献ができるのかをぶつけてください。新たなチャレンジに覚悟を持って挑めば、きっと全く違う人生がひらけるはずです。いい出会いにつながることを願っています。

※「次世代リーダーの転職学」は金曜掲載です。この連載は3人が交代で執筆します。

黒田真行
ルーセントドアーズ代表取締役。日本初の35歳以上専門の転職支援サービス「Career Release40」を運営。2019年、中高年のキャリア相談プラットフォーム「Can Will」開設。著書に『転職に向いている人 転職してはいけない人』、ほか。「Career Release40」 http://lucentdoors.co.jp/cr40/ 「Can Will」 https://canwill.jp/

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