メガバンク勤務35歳 高年収捨てても転職する決め手はミドル世代専門の転職コンサルタント 黒田真行

銀行員からの転職の「その後」は?

では、メガバンクをはじめとして銀行員からの転職の実態はどのようになっているのでしょうか? 一般的に、銀行員の転職先は、証券・保険・投信運用会社といった金融業界内での転職を想像される方が多いのですが、実際には金融業界内での転職は3割にも満たず、現実には金融業界以外の異業種に進む方のほうが多いのが実態です。

事業会社の経理や財務への転身もイメージの割にはそう多いわけではありません。建設・不動産業界、電気・機械などのメーカー、コンサルティング業界などが増加しています。

また、私が実際に転職のお手伝いをしている方の中には、M&A(合併・買収)仲介業界への転職例が増えています。経営者と対峙して、事業戦略や方針立案に伴走するなどの面で、銀行での法人営業経験と会社を売買する業務とは、とても相性がいいようです。

そのほかにも、BtoBのクラウドサービスや、決済やオークションなどの消費者向けのウェブサービスの営業職やウェブマーケティング職などへの転職も増加しています。35歳以下の若手銀行員の場合は、特にコンサルティング業界やIT(情報技術)業界での採用が多く、入社後に活躍している人も多いようです。

一方、35歳を超えると、Aさんのように年収の壁が転職を阻害することも多くあります。メガバンクの年収は30歳で1000万円、40歳で1500万円を超えるといわれています。

異業種やベンチャー企業に移れば、35歳を超えると、年収で400万円下がることも当たり前になってきます。子育てや住宅ローンの都合で、年収水準を下げられないとなると、応募先が消えてしまうことになります。

希望条件との板挟みが続くと、退職後の空白期間が生まれてしまいかねません。転職先が決まるまでに、どれだけ時間がかかるのかが不透明になるので、生活の見直し、条件の再検討は、避けて通れない重要な取り組みとなります。もちろん、できるかぎり退職前に転職活動を始めることも大切です。

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