カレーは週3回食べる 専門医がやっている認知症予防『医師が認知症予防のためにやっていること。』著者に聞く

シンガポールの調査でカレーの予防効果が判明

――食事はどうでしょうか。認知症のリスクを下げる食品はあるのでしょうか?

遠藤 食事について私が気をつけていることは2つあります。1つは、たんぱく質をたっぷりとること。たんぱく質が不足すると筋肉量が減り、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)になると、それが原因で身体活動量が減り、認知症のリスクを高めてしまいます。もう1つは、なるべく多様な食品を食べること。多様な食品をとる人のほうが認知機能の低下リスクが減るという研究があります(Geriatr Gerontol Int. 2017 Jun;17(6):937-944.)

そして、認知症予防の効果が期待できるメニューといえば、カレーです。私も週に2~3回は食べています。カレーの何がいいのかというと、香辛料として使われているターメリックです。ターメリックには、『クルクミン』というポリフェノールの一種が含まれており、これがアルツハイマー型認知症を防ぐ働きがあるのではないかと考えられています。

――カレーが認知症予防によいという論文はありますか?

遠藤 研究室での試験管内での実験、動物実験、そして疫学調査の論文がそれぞれあります。疫学調査では、以前、「インド人は認知症患者が少ない」という話があったのですが、それは当時のインドでは平均寿命が短いせいではないか、という反論が出ました。その後、シンガポール人を対象とした調査により、よくカレーを食べる人は認知症のリスクが少ないという結果が出たのです(Am J Epidemiol 2006;164:898-906.)

――さっそく夕食のメニューはカレーにしたいと思います!

(聞き手:日経BPライフメディア局 竹内靖朗 写真:上野英和 イラスト:堀江篤史)

遠藤英俊
認知症専門医。聖路加国際大学臨床教授。名城大学特任教授。1982年滋賀医科大学卒業、87年名古屋大学大学院医学研究科修了。総合病院中津川市民病院内科部長、国立療養所中部病院(現・国立長寿医療研究センター)内科医長などを経て、国立長寿医療研究センター長寿医療研修センター長および老年内科部長を務め、2020年3月に退職し現職。

医師が認知症予防のためにやっていること。

著者 : 遠藤 英俊
出版 : 日経BP
価格 : 1,540円 (税込み)

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