カレーは週3回食べる 専門医がやっている認知症予防『医師が認知症予防のためにやっていること。』著者に聞く

定年後の生活の変化で認知症のリスクが上がる!?

――それでは、60代以降はどんなことが認知症予防になるでしょうか?

遠藤 60代半ばを過ぎたら、喫煙、運動不足、社会的孤立、抑うつなどがアルツハイマー型認知症のリスク因子になります。60代半ば以降というと、多くの人は定年退職後に当たりますよね。働かなくなって「毎日が日曜日」になり、家に閉じこもってぼんやりとテレビを見てばかりいて、周囲の人とコミュニケーションをとらず、運動もしないという状態になると、認知症のリスクが高まってしまうのです。

実は私も、20年3月に、65歳で定年を迎えました。定年後の生活で認知症のリスクが上がってしまわないように、事前に準備をしておいたのです。

――なんと! 定年の前後でどのように生活が変わったのでしょうか?

遠藤 定年退職したからといって、仕事をいきなりゼロにするのはよくありません。私は定年後も、いくつかの病院で非常勤で診察を行っていますし、大学などで教えたりもしています。それでも仕事量は減って、日、月、火はお休みにしています。つまり、週休3日です。

定年前は朝5時に起きて病院に行き、7時15分から仕事を開始していました。それが定年後は、朝7時に起きているので、体はずいぶん楽になりました。

――なるほど。定年になったからのんびり過ごすのではなく、仕事はある程度したほうがいいのですね。

遠藤 そうです。そして、自由な時間が増えたので、新しいことにいろいろとチャレンジしています。先日は料理教室で、イタリア料理のティラミスを作りました。スイミングスクールに行ってバタフライを習ったり、ゴルフのレッスンプロについて練習したり、といったことも挑戦したいです。

水泳で新しい泳ぎ方を習うことは、脳を活性化させる
ゴルフは、有酸素運動になるだけでなく、頭を使い、仲間とコミュニケーションをとる効果も

――楽しそうですね。ちなみに、料理や水泳、ゴルフは認知症の予防にもつながるのでしょうか。

遠藤 もちろんです。料理は。下ごしらえから調理、盛りつけまで、いくつかの作業を同時進行させながら進めていくので、脳の活性化に役立ちます。水泳とゴルフは、有酸素運動になります。有酸素運動とは、体にたっぷりと酸素をとりこんで行う運動のことで、脳の血行がよくなり、アルツハイマー病の予防につながると考えられています。

料理や水泳を人に教わって新しいことに挑戦したり、ゴルフ場で仲間とコミュニケーションをとることも、脳にはよい影響があるのです。また、こうやって自分が興味のあるものに取り組むのも、続けるためのコツでしょう。好きでもないことを無理やりやるのはストレスになりますから。

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