在宅勤務で親が発見 未就学児が没頭した3つの遊び
5歳と3歳の子どもを育てるママが、家にある定番おもちゃを再チェックしたり、手芸遊びを取り入れたりして、子どもたちが楽しく没頭できるよう遊びを工夫しました。「没頭度」が特に高かった遊びについて、工夫のポイントや注意点などと共にお伝えします。
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小さい子どもを見ながらの在宅勤務では、思うように仕事がはかどらず焦りますが、一方で、家の中でエネルギーを持て余す子どもの様子も気になります。子どもが夢中になって楽しめる遊びはないものか。ある程度の時間、親のサポートがなくても楽しそうに没頭できているなら、親は安心して自分の仕事に取り組めそうです。
そこで、子どもがじっくり遊べそうな知育おもちゃと、ストレス発散や運動不足解消を兼ねたカラダを使うおもちゃをチェックしてみました。さらに、子どもの興味を遊びに生かすために、おばあちゃんから一人遊びを可能にするアドバイスをもらいました。
ビルダー系と細かいブロックは今回はナシ
筆者の家では普段、子どもたちが持っているおもちゃのすべてをリビングに出さず、一定期間ごとにローテーションでリビングのおもちゃ箱の中身を入れ替えています。しばらくしまっておいたストックから「没頭度」の高そうなものをチョイスし、今使っているおもちゃ箱へ再投入しましたが、難しかったのは、3歳児が没頭できるおもちゃを探すことでした。
特に自分で組み立てて車などを作る「ビルダー系おもちゃ」と、テーマ別の「組み立てブロック」は今回はナシ。もともと上の娘のために購入したものでしたが、娘は適応年齢を過ぎているため、3歳の息子に遊んでもらおうと考えました。しかし、興味はあってもまだ一人で遊ぶことが難しいため、親が終始、隣について、一緒に遊んであげる必要が。共に良質なおもちゃですが、「子どもだけで楽しく没頭できる遊び」という今回の目的には合致しませんでした。
試してみたおもちゃや遊びのなかから、「没頭度」が高かった3つを紹介します。子どもたちの反応やポイント&注意点、子どもたちが楽しく没頭できるために親が工夫した点をお伝えします。没頭度は記者の主観で3段階で評価したものです。参考にしてみてください。
音の出る定番おもちゃで楽しく没頭する工夫
1【ピカピカひかるピアノ】
音が出るおもちゃは、小さい子どもがいる家でよく見かける定番おもちゃの一つです。わが家にはすでにシンプルなピアノおもちゃはありましたが、ピアノを習ったことのない子どもたちはひき方が分からないため、たびたび「ママ、いっしょにひこう」と声がかかる状況でした。どうもピアノには興味がありそうなので、少しでもひけたら自分たちだけで楽しめそうな予感。そこで「興味はあるけど、ひきこなすためのスキルはない」のギャップを埋めたいと考えました。
今回試したのは、ひきたい曲に合わせてピアノの鍵盤が光りガイドをしてくれるというもの。白盤が10個しかないブックタイプのピアノですが、特にピアノを習ったことのない子どもたちが、知っている曲のメロディーをゆっくり奏でるだけなら十分だろうと判断しました。
実際使い始めると想像以上のハマりようでした。娘にいたっては、1時間強の没頭っぷり。連日ガイドの光を追ってなじみの童謡曲を一生懸命練習。一方、3歳の息子は飽きてくると、どの鍵盤をひいても間違いなくひけるという「かんたん」機能を使ってピアニスト気分を堪能。「自分でひける」という達成感が味わえる点が子どもたちにうけているようです。
数週間がたち、娘がある程度ひけるようになったころから、「指を全部使ってひいてみよう」と声をかけて少し遊びのハードルを上げてみることに。同時に、しまってあった鉄琴をおもちゃ箱に入れました。
娘はよりピアノに近づけた感覚を味わったり、鉄琴でも同じようにひいてみようと練習したり、試行錯誤を重ねています。一方、息子もピアノをひく姉の隣で鉄琴をたたき、一緒に演奏している感覚を楽むなど、きょうだいで一緒に遊ぶことにも成功。
●幅広い年齢で遊べる
●音階の基本が学べるかも
●0、1、2歳児向けだが、ピアノ初心者の3歳と5歳も楽しめる
【注意点】
●音が気になることも
【親の工夫】
●ひけるようになってきたら、少しだけハードルを上げる声がけをした
●遊びの幅を広げたり、きょうだい一緒に遊べたりできるよう、しまってあった他の楽器おもちゃを出した
おばあちゃんに教えてもらった遊び方
2【指編み】
毛糸に興味がある娘に祖父母がプレゼントしてくれた編み機が、わが家にはあります。毛糸でさまざまなものが編めるという面白いおもちゃですが、難易度が高く、親が隣についていてあげないとまだ一人では遊べません。ことあるごとに「一緒に編み機やろうよ」と声がかかるため、毛糸への興味をさらに広げるチャンスだと感じました。毛糸を何とか一人遊びにつなげることはできないかと、手芸が趣味の祖母に相談したところ、「指編みなら簡単だし、道具を使わないから一人で遊んでも安全よ」のアドバイスが。
さっそく指編みについてネット検索してみると、簡単な指編みの方法を掲載する動画やサイトがたくさん見つかりました。しかも、手芸経験がほぼない私でもすぐに実践できるレベルです。娘に教えるとあっという間に習得し、黙々と編み始めました。
初回にして編み続けること40分。シンプルな作業なため、その間一度も声をかけられることはありませんでした。見ると、かなりの長さが編み上がっています。作業はリリアン編みに似ていますが、太い毛糸で作るため、すぐにある程度の長さを作ることができ、達成感も感じやすかったようです。自分の指に毛糸を絡めて編んでいくため、糸が抜けてしまうなどのトラブルもありません。スムーズに編み進められる点は、本人にとっても親にとってもストレスフリーです。
1本目は満足のいく長さまで続けたかったようで、数日かけて長く編み上げていました。1本目を編み終えたところで、制作モチベーションをキープするために「次はぬいぐるみのマフラーを作ってみたら?」と提案すると、「他の色の毛糸もある?」と心を弾ませている様子。編み始めの作業も簡単なので、数種類の毛糸を置いておくと、気が向いたときに自分で好きな色の毛糸を指に巻きつけて、ぬいぐるみ用のマフラーを編むなど継続して没頭中です。
唯一の問題は、一緒に遊べずに退屈している弟が毛糸玉をほどくなど邪魔に入ること。毛糸での三つ編みを教えましたが、興味を持てなかったようで、きょうだい一緒の没頭は実現できませんでした。
●毛糸玉だけあれば遊べる
●編み間違いや編み目が抜けるなどのトラブルが起こりにくいので、親の手がかからない
【注意点】
●小さい子は一緒に遊べない
【親の工夫】
●毛糸への興味を遊びに生かすことを考え、おもちゃに頼らない遊びを取り入れた
●制作の目的を提案した
体動かす系の乗り物玩具で楽しむ工夫
3【ロディ-&ジャンプボール】
ロディの乗用玩具はもともと家にあったのですが、ここしばらくはしまってありました。子どもたちの運動不足解消のため、ロディを再投入するにあたり、「きょうだいで遊ぶには同時に使えるおもちゃがあった方がいいだろう」と考え、ジャンプボールも購入することに。普段なら似たような用途のものは買わないのですが、今回は非常時ということで、あえての判断です。
ロディとジャンプボールを同時に子どもたちに渡すと、それぞれ試した後、弟は安定感のあるロディを、姉は少しバランス感覚が必要な点が面白いジャンプボールをチョイス。もめることなくおもちゃの割り振りができたことで、親としては第一関門クリア。部屋の中で安全を確保した上で遊びます。
2人それぞれのおもちゃにまたがると、ピョコピョコ追いかけっこを開始。飽きてくると今度は音楽に合わせてジャンプしたり、お互いに面白い飛び方を披露し合ったりしながら楽しく遊んでいます。弟の好きな戦いごっこも、おもちゃにまたがってだと楽しいようで、普段は嫌がる姉も快く付き合っています。ロディもジャンプボールも共に子どもの足がしっかり床につくため安心です。ちなみに数日経ったら、弟もジャンプボールを危なげなく乗りこなすようになりました。
わが家にはたまたまロディがありましたが、ジャンプボールは1つ980円と複数個の購入も可能な価格なので、きょうだいの人数分買ってあげるのもいいかもしれません。
●床に足がつくため安心
●体幹を鍛えたり・バランス感覚を養ったりすることにつながりそう
【注意点】
●家の中で安心して遊べるスペースの確保が必要
●マンションの場合、ジャンプの音や振動が気になるかも
【親の工夫】
●使わなくなり、しまっていたおもちゃを再活用
●きょうだいで飽きずに楽しく遊べるよう、同じおもちゃを二つ用意するのではなく、似ているが別のおもちゃを用意した
Enjoy FamilyジャンプボールEFS-190 980円(税込み)サクライ貿易
(取材・文 須賀華子=日経DUAL編集部)
[日経DUAL 2020年5月14日付の掲載記事を基に再構成]
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