カットすると渦巻き状の断面が登場する「キューブザベーカリー」の食パン

17年3月、広島市にオープンした「キューブザベーカリー」は店名の通り、四角いキューブ状の食パンが話題となっている。サイコロ状でどこをカットするのか迷うところだが、Bというマークがある面を手前にして縦にカットすると、中から渦巻き状の断面が登場。その見栄えが美しく、一気にテンションが高まるのが人気の要因となっているようだ。

チョコやチーズ、あんこなど5種の定番食パンのほかに、季節限定のパンも月1ペースで登場し、種類豊富なキューブ食パンをラインアップ。お取り寄せできるのは一番人気の「プレーン」と「リッチ」(ともに税別500円、送料別)で、広島市、廿日市市、呉市などの近隣エリアでは宅配サービスも実施している。老若男女問わず、幅広い年齢層の客に支持されている。

同店マネージャーの濱野由起子さんは、キューブ状の食パンを開発した経緯を次のように説明してくれた。「私はパンの耳が昔から大好きなので、お客様にもそのおいしさを耳まで丸ごと味わってもらいたいと思い、全面が耳からなるキューブ型の食パンを考案しました」。

「キューブザベーカリー」では、具材を中にくるくると巻いた生地2つを型に入れて焼く

こちらも原料にはこだわる。小麦は北海道産だけを使用し、牛乳は100%地元広島県産。素材の風味を最大限に生かすため、長時間かけて低温熟成発酵をさせている。1斤が出来上がるまで2~3日かけて作るというこだわりようで、持ってみるとずっしりと重みを感じる。

まずは焼かずに一口。香ばしい小麦の香りが口の中いっぱいに広がり、ふんわり、もちもち、耳の部分までしっとり軟らかい。トーストすると、今度はサクッとした食感に変わり、口の中で消えていくような軽さも感じる。

最近「あん食パン」なる食パンがはやっているが、こちらでも北海道産のアズキを100%使用し、パン生地に合うよう甘さは控えめにした「あんCUBE」(1斤・税別 650円)が人気だ。

「キューブザベーカリー」で6月15日から8月末まで期間限定で販売している「メロンCUBE」

また、毎年この時期に期間限定で販売して好評なのは「メロンCUBE」(税別280円、今年は8月末まで)。こちらは生地の中に特製メロンクリームが入っているが、6センチ角ほどと小さいので、断面をカットした場合、中からクリームが渦巻き状にお見えするとは限らない。それでもメロンの甘い香りと小麦粉の香ばしさが絶妙なハーモニーを奏で、上にのっている手作りのサクサククッキーがかわいらしく、毎年リピートする客がいるという。

昨今、味自慢、食感自慢の高級食パンがブームとなり、コロナ禍以前は専門店に行列が絶えなかったものだ。今は、在宅生活も続き、それもままならない。ストレスもたまっているだろう。この機会にぜひ、かわいらしいパンを取り寄せて、「おうちごパン」を楽しんでほしい。

(フードライター 古滝直実)

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