ブラウザー「新エッジ」 デザイン一新、資料集め簡単
ウィンドウズ10の最新大型アップデート「メイ2020アップデート」が5月末に公開された。新しい「Microsoft Edge(マイクロソフトエッジ)」(以下、エッジ)は、メイ2020アップデートにおける事実上の標準ウェブブラウザーだ。
厳密にはメイ2020アップデートとは別物だが、新エッジ自体は2020年1月に登場しており、自動更新での提供が予定されている。すぐに新しいエッジを使いたければ、手動でインストールできる[注1]。新エッジは旧エッジを置き換える格好になり、旧エッジは使えなくなるが、お気に入りやパスワード、履歴などは新エッジに引き継がれる。
新エッジについてまず理解しておきたいのが、その技術的背景だ。新エッジではブラウザーの「核」となるエンジンが、グーグルのウェブブラウザー「Chrome(クローム)」と同じになった。その結果、クロームでは正常に表示されるのにエッジでは乱れるといった互換性トラブルの減少が期待される。
新エッジは見た目や機能も大きく変わった(図1)。新規タブの画面レイアウトは「イメージ」「シンプル」「ニュース」の3種類。それぞれ「クイックリンクを表示させない」「ニュースの言語を変える」といったカスタマイズができる(図2、図3)。
機能面で注目されるのが「コレクション」。これはウェブページそのものや中にある画像、テキストなどを収集する機能だ。買い物リストを作ったり、プロジェクトの参考資料を集めたりするのに役立つ(図4~図6)。収集したコンテンツはワードやエクセルに書き出すこともできる。
新エッジには同期機能もある。同じマイクロソフトアカウントでサインインすれば、職場と自宅のパソコンで同じお気に入りやパスワードなどを使える。新エッジにはスマホアプリ(アンドロイド版、iOS版)もあり、スマホとの同期も可能だ(図7)。
さらに注目されるのが拡張機能。これまでエッジ用の拡張機能はクローム用に比べると数が少なかったが、新エッジではクローム用の拡張機能も使える。
サイトをアプリ化してスタートメニューに登録
新エッジには、サイトのアプリ化という面白い機能もある。グーグルマップやオフィスオンラインといったウェブアプリ型のサイトを、独立したアプリとしてインストールできるのだ。アプリ化したサイトはスタートメニューに登録され、単体アプリのように機能する(図8、図9)[注2]。
最後に、旧エッジとの比較をしておこう。旧来の「読み取りビュー」は名称が「イマーシブリーダー」に変わった。内容はほぼ変わっておらず、音声による読み上げや印刷もできる。一方、図10にまとめたように、新エッジで失われた機能も少なくない。特にPDFの見開き表示、しおり表示ができなくなったのは痛い。
[注1]新しいエッジは「https://www.microsoft.com/ja-jp/edge/」からダウンロードできる。なお、海外では新エッジは登場後、ウィンドウズアップデートによる自動更新の対象となった。日本では新エッジで国税庁の確定申告書作成ページの一部機能が正常に動作しないため自動更新での提供が延期された
[注2]通常のウェブページも、「…」ボタンの「アプリ」から「このサイトをアプリとしてインストール」を選ぶと、同様にアプリ化できる
[日経PC21 2020年8月号掲載記事を再構成]
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