読めば心熱くなるスポーツマンガ10選 書店員が選考

1位 SLAM DUNK(C)井上雄彦 I.T.Planning,Inc.
1位 SLAM DUNK (C)井上雄彦 I.T.Planning,Inc.

東京五輪延期など、コロナ禍がスポーツにも影を落としている。苦境にくじけない姿、友情、そして熱い言葉。「元気がもらえるスポーツマンガ」を書店員が選んだ。

■1位 SLAM DUNK(スラム ダンク) 1110ポイント
年月経てなお衰えぬ人気

湘北高校に進学した赤い髪の不良少年・桜木花道は一目ぼれした赤木晴子に勧められてバスケットボール部へ。最初は全くの初心者だったものの、高い身体能力と地道な努力で頭角を現す。晴子の兄でもある主将の赤木剛憲、花道とはライバル関係となる流川楓、実力者の宮城リョータ、自暴自棄な生活から戻ってきた三井寿といった面々と全国制覇を目指す。

「スポーツマンガ界のキング。老若男女問わず心が熱くなれる」(坂上加奈恵さん)。複数の書店員が「スポーツマンガの金字塔」「もはや説明不要の傑作」と推薦の言葉を寄せた。日本にバスケブームを巻き起こした名作の人気は衰えを知らず、2018年には全巻カバーを新たに描き下ろした新装再編版が刊行、今年4月には新たなイラスト集が発売されたほどだ。

印象に残るセリフも魅力。あまりにも有名な安西監督の「あきらめたらそこで試合終了だよ」は「もう辞書に載せてもいい名言中の名言」(松岡賢治さん)との声。他にも三井の「バスケがしたいです……」、花道の「大好きです 今度は嘘じゃないっす」「オレは今なんだよ!!」などきりがない。一方で山王工業戦のクライマックス、セリフがほぼない迫真の描写も読み手の心を揺さぶる。

週刊少年ジャンプで1990年から96年まで連載。

(1)井上雄彦(2)集英社(3)新装再編版全20巻(他に通常のコミックスや完全版も)(4)600円+税

■2位 アオアシ 700ポイント
険しい道に挑む覚悟

愛媛に暮らす中学3年生の青井葦人(アシト)。サッカーへの情熱は人一倍だが、短気な性格が災いしていざこざを起こし、高校の推薦もダメになってしまう。

そんなときに出会ったのがJリーグのユースチーム監督の福田達也。粗削りながらもアシトに可能性を感じた福田は自らのチームのセレクションに誘う。フィールドを俯瞰(ふかん)できる能力やあきらめない心を武器に挑むアシトは果たして……。

プロデビューを目指す育成年代の選手が集うJユースが舞台。「キャラクターの成長や熱い試合展開を描きつつ、サッカー界の抱える事情も分かる。個人的には今一番面白いと思っているサッカーマンガ」(神谷武之さん)。プロへの険しい道のりに挑む覚悟、家族への強い思いが伝わってくるのも人気の理由だ。

サッカーに関する知識もふんだんに盛り込まれている。「戦術要素が作品全体に色濃くみられ、ポジショニングやシステム、コーチングなどわかりやすく描かれている。サッカー好きもそうでなくても十分楽しめる」(土屋修一さん)。週刊ビッグコミックスピリッツで連載中。

(1)小林有吾(2)小学館(3)既刊20巻(4)591円+税

(C)小林有吾/小学館
■3位 ハイキュー!! 690ポイント
挑戦し続ける姿に勇気

春の高校バレーのテレビ中継で「小さな巨人」と呼ばれて活躍する烏野(からすの)高校の選手に心を奪われてバレーボールを始めた日向(ひなた)翔陽。中学時代は環境に恵まれなかったが、憧れの選手がいた烏野高校に入学。抜群のセンスを持つセッター、影山飛雄と出会う。

小柄な体格ながら天性のバネが武器の日向と正確なトスが持ち味の影山。最初は反発し合っていた2人だが、互いの特長を生かした「変人速攻」を編み出す。主将の澤村大地をはじめ個性豊かな仲間たちも集い、全国大会を目指す。

「バレーに全力でぶつかる主人公の日向が熱い。あらゆることを貪欲に吸収する姿に感動を覚える。学生の頃に読んでいたらバレー部に入っただろうな」(黒松亜美さん)と共感の声も。バレー選手としては身長が低いという逆境に負けず、挑戦し続ける姿に勇気づけられたとの感想も目立った。

「試合中の描写に引き込まれる。主人公だけでなく他校のキャラクターも目立ってみえる」(山岡江梨子さん)。登場人物一人ひとりの丹念な描写にもファンが多い。週刊少年ジャンプで連載中。アニメや舞台での展開も。

(1)古舘春一(2)集英社(3)既刊43巻(4)440円+税

(C)古舘春一/集英社
■4位 ピンポン 610ポイント
試合描写、圧巻の一言
(C)松本大洋/小学館

卓球を続けてきた幼なじみ同士で片瀬高校に入学した星野裕(ペコ)と月本誠(スマイル)、名門・海王学園高校の風間竜一(ドラゴン)ら個性あふれる面々がそれぞれに葛藤を抱えながらインターハイに挑む物語。

「卓球マンガの金字塔。重力を操っているかのような独特かつ唯一無二の表現は必見」(山内康裕さん)。「最後の試合描写はもう圧巻の一言。ペコやスマイル、ドラゴンの間にラリーがあれば、意思疎通に言葉すら必要なかった」(三木雄太さん)。週刊ビッグコミックスピリッツで連載。実写映画にもなった。

(1)松本大洋(2)小学館(3)文庫全3巻(4)667円+税

■5位 弱虫ペダル 550ポイント
どのキャラクターにも感情移入
5位 弱虫ペダル(渡辺航)

眼鏡がトレードマークの高校生、小野田坂道。愛するアニメにゲーム、フィギュアがそろう秋葉原まで往復90キロメートルの道を急坂も苦にせずママチャリで走破する。内気で運動部には入らないと決めていたが、同学年の今泉、鳴子らと出会ったのを機に自転車競技部に入部。クライマーとして登坂能力を開花させていく。

「どのキャラクターにも感情移入してしまう。長いロードレースの果てに勝敗が一瞬で決まる緊張感、読むうちにこちらの鼓動も速くなる」(美土路奈々さん)。週刊少年チャンピオンで連載中。

(1)渡辺航(2)秋田書店(3)既刊67巻(4)454円+税

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