様々なこだわり方で群雄割拠するTシャツという名の大海原ですが、その中でもおすすめは、こちらの白Tシャツたち。この夏おしゃれの偏差値が、この1枚でドン!と上がります。

ニットの製法で作ることで生まれる、艶やかな高級感

《BATONER》 一目見て、ただならぬ艶っぽさを感じさせるのがBATONERの白Tシャツ。それもそのはず、こちらのTシャツはニットTシャツ。60年の歴史を持つニットメーカーが、ニットと同じ製法で作ったTシャツなのです。通常、Tシャツはカットソー生地を裁断して作りますが、こちらは、パーツ別に編んで作られています。

肌触りがよく、しかも美しい立体感を追求しています。そしてその生地の編み方も、ニットメーカーならではの技術を使った“スムース編み”。最高級のスーピマコットンを使い、表も裏も凹凸のない滑らかな表情の出る編み方で作ることによって、目の詰まったいかにも上質な艶感が漂うTシャツが完成。カジュアルな中にもエレガントな雰囲気を漂わせたその質感は、おしゃれな女性ほどその1枚上手感を察知。Tシャツ1枚にも抜かりないチョイスに、「……もう……」と心で白旗をあげるは必至です。

肩幅、身幅に適度なゆる感を持たせ、控えめにトレンド感を出しているのも、実に壮年好みのバランス感。生地の厚み、パターンは毎年、微調整を繰り返しているとか。SMOOT T-SHIRT税別16,000円(BATONER)

さらにはそのディテールにも必見のこだわりが。裾の部分に入ったスリットは、着た時にモタつかず、ストンときれいな落ち感で着られるようにする配慮。生地同士の縫製は、リンキングというチェーンステッチの手法を使っているので肌のあたりが柔らかく、その着心地のよさという点でもリピーターが後を絶たないとか。

そんな細かなこだわりが、Tシャツ全体の高級感をさらに底上げ。これ一枚あれば、どんなシチュエーションのお誘いも、間違いなく万全です。

美意識の共有からこだわった、シーズンレスな一着

《スローン》 柔らかい風合いと光沢感、そしてなんとも絶妙なバランス感が印象的なこちらのTシャツはスローンというブランドの定番Tシャツ。そもそもニットからスタートしたブランドですが、一番のこだわりは国内生産であること。海外発注せずにあえて日本製にこだわるのは、「ブランドと作り手のメンタリティーとの距離が近いほど、精緻なものが作れるから」だといいます。

ディテールやシルエットを追求する際、どれだけ細かい部分にこだわりを反映させるかが、シンプルなアイテムの勝負所。それには細やかなコミュニケーションが不可欠で、そこを突き詰めれば日本製に行き着くのだそう。そんな生産背景からこだわって生まれたTシャツは、年間を通して楽しむように作られた優れもの。襟や袖口、裾のヘムなどが絶妙な幅に仕上げられ、心地よい大人のこなれ感を演出します。

今年のモデルから、UVカットの加工もプラス。黄ばみにくく、きれいさが長持ちするので白Tシャツにはまさに打ってつけ。コットン天竺Tシャツ 税別8,800円(SLOANE)

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老舗テーラーが手掛けた、ドレス視点の白Tシャツ