夏はシンプル白T 大人の雰囲気醸す「国産のこだわり」ファッションディレクター 清水久美子

ジェンダーレスを意識し、5サイズを展開するSLOANE(スローン) かゆいところに手が届くような配慮の結晶が、メード・イン・ジャパンの白Tシャツの世界
ジェンダーレスを意識し、5サイズを展開するSLOANE(スローン) かゆいところに手が届くような配慮の結晶が、メード・イン・ジャパンの白Tシャツの世界

青い空、高らかなセミの声、キンキンに冷えた生ビール……。夏の風物詩は、どれも心躍るものばかり。ですが、丸の内・行幸通りを闊歩(かっぽ)する女性たちには、実はもうひとつのお楽しみがあります。そう。男性のTシャツスタイルです。




白無地のTシャツ、シンプルゆえに難しさも

他のシーズンにはジャケットの下に隠れていることが多いものの、気温上昇とともに、夏はTシャツが主役。男性ならではの肩幅の広さや厚みのある筋肉が、服の下からうっすらと拝察できるアイテムですので、女性にとってはまさに眼福。気になる上司とすれ違いざま、広い肩甲骨がうかがい知れる後ろ姿をついチラリ。「……見るユンケルだわね」と、午後のプレゼンへの英気を養います。

そんな眼福Tシャツの中でも、圧倒的に人気なのは何かといえば、大人っぽく着られる無地Tシャツ。しかも白であれば、白シャツ同様の清潔感と知的な印象で、女性の好感度はかなりの高さ。ある意味、タキシード並の永遠の“女性好み”のスタメンなのです。

「なるほどね、じゃ、今度のデートは白Tを新調するかな」とは、またまた海図もなく大海原に飛び込もうとする壮年のダーリンのセリフ。ベーシックアイテムになるほどに、若い時とは勝手が違ってくるものなのです。

3枚パックなどのアメカジ調のTシャツや、ストリートの影響を受けたトレンドのビッグシルエットの白Tシャツなども、もちろん魅力はあります。けれど、大人の男性が合わすボトムは、サマーウールやリネンなどの高品質な素材の場合もあるわけで、やはりそういったものとバランスがよく、しかも、それなりのクオリティーの白Tシャツでないと、“上半身だけ青春時代”、のようなちぐはぐな印象に。

もちろん体型の変化も考慮すべきですが、若い時と決定的に違うと私が思うのは、むしろ存在感。オンでもオフでも経験値を重ね、雰囲気自体に落ち着きや深みを持った世代には、同じく深みのあるTシャツ、どこかこだわりが感じられ、他にはない雰囲気を持ち合わせた、いわばオーラのある白Tがお似合いだと思うのです。

素材感、リブの太さ、裾、胴回りなど、ちょっとしたバランスの違いで、その印象が大いに変わる奥深いTシャツの世界。そういったある意味マニアックなこだわりを持って、しかも壮年の日本人体型を熟知したTシャツといえば、そう、おすすめはメード・イン・ジャパンのTシャツたち。「……こう来たか……」と思わせるディテールは、大人のおしゃれ心を刺激し、周囲の女性たちにも「何かが違うわ」と二度見を促すスペシャルなオーラが満載。

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ニットの製法で作ることで生まれる、艶やかな高級感
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