東大合格ランキング、40年を振り返り 躍進した学校は特別編(1) 教育ジャーナリスト・おおたとしまさ

1980年代、1990年代、2000年代を見比べたときに目立つのが、桜蔭の躍進である。20位までの欄外から、12位、6位とランキングを上げている。地理的には東大のお膝元であるが、長らく「女子が東大なんて……」という社会的ムードの中で東大を受験する生徒自体が少なかった。しかし共通一次試験が導入され、自分たちの成績で十分東大に合格できそうであることがわかり、受験者が増えた。

灘と同様に関東圏以外の学校として目立つのが鹿児島のラ・サールである。1970年代に現在の鹿児島空港が開港して羽田線の空の便が開通し、東大受験者が増えた。地理的には不利であるにもかかわらず、九州の高校から東大合格者数が多いのは、明治維新以来、九州には東京に出て立身出世を目指すいわゆる「中央志向」の文化があるからだ。

戦後トップ10を外れたことのない唯一の学校は?

さて、最新のデータを見てみよう。大学通信の協力を得て作成した、2016~2020年の5年間の平均値によるランキングトップ30だ。

2000年前半までトップ20年にも入っていなかったのに、ここで7位に躍進しているのが、渋谷教育学園幕張だ。1983年に創立し、飛ぶ鳥を落とす勢いで大躍進。県立王国だった千葉県に私立旋風を巻き起こしたその様子は「渋幕の奇跡」とも呼ばれている。

同様に一気にランクインしているのが10位の日比谷である。1990年代には東大合格者数1桁が続いたが、2000年代に入ってから始まった「都立高校改革」によって見事復活した。神奈川御三家の一角、聖光学院も躍進目覚ましい。

麻布は常に3~6位にいる。実は、戦後中高6年一貫教育体制になった1期生から、一度も東大合格者数ランキングトップ10を外れたことのない唯一の学校である。しかし一度も1位にはなっていないところがむしろユニークである。

次回は京大のランキングを掲載する。

新・男子校という選択 (日経プレミア)

著者 : おおたとしまさ
出版 : 日本経済新聞出版社
価格 : 935円 (税込み)


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