ハワイの魅力が全開の刑事アクション 海外ドラマ1位
2020年5月 海外ドラマ月間レンタルランキング
ハワイを舞台に、特別捜査班「FIVE-0(ファイブ・オー)」が凶悪事件に立ち向かう犯罪捜査ドラマが『HAWAII FIVE-0』だ。そのシーズン9が、TSUTAYA海外ドラマ月間レンタルランキングの5月度で1位に初登場。気軽に見られる1話完結型で、ハワイの美しい風景や観光スポットも楽しめるとあって、ロングランヒットを続けている。
『HAWAII FIVE-0』は、1968~80年まで12年間放送されて世界中で大ヒットした『ハワイ5-O』を現代版として復活させたリメイク版。ザ・ベンチャーズの演奏で有名なオープニングソングのイメージはそのままに、オリジナル版の魅力は生かしつつ、現代の社会情勢を盛り込んだ。全米では2010年からCBSで放送が始まって以来、10シーズン続く人気シリーズとなっている。
ハワイ州知事直轄の特別捜査班であるFIVE-0のチームは、元米海軍将校のスティーヴ・マクギャレットをリーダーに、相棒ダニー・"ダノ"・ウィリアムズをはじめ個性的なメンバーが力をあわせて、殺人事件から誘拐、テロまで多岐にわたる難事件を捜査する。
スティーヴを演じるのは『スリー・リバーズ~命をつなぐ熱き医師たち』のアレックス・オロックリン。肉体的にも精神的にもタフで、仲間に対して愛情深いチームリーダーを熱演している。ダニーにふんするのは映画『オーシャンズ11』のスコット・カーン。スティーヴの無謀な行動に文句を言いつつも、彼を支える相棒を演じて名コンビとなっている。製作総指揮・脚本は『M:i:III』『スター・トレック』のアレックス・カーツマン、ロベルト・オーチー、『CSI:NY』の脚本・共同製作総指揮を務めたピーター・レンコフと、映画・テレビ界のヒットメーカーが顔をそろえた。
スピーディーなストーリー展開と派手なアクションの連続で、理屈抜きで楽しめる刑事ドラマであることに加え、舞台となるハワイの魅力も多くのファンを引きつけている。さらにシーズン9では、オリジナルの『ハワイ5-O』放送から50周年を迎えたのを記念して、オリジナルのパイロットエピソードを現代にリメイクした特別エピソードを第1話としたのも話題を呼んだ。また、第7話は通算200話の記念エピソードで、FIVE-0のメンバーが1941年にタイムトラベルして当時の未解決事件を追う。今までにない演出や斬新なストーリーが展開するのも、シーズン9の見どころだ。
シリーズを通したストーリーでは、前シーズンから新メンバー3人が加入。その1人であるアダムに妹ノリコの殺害疑惑が残ったまま前シーズンが終了したが、その事件の解明が描かれる。また、ダニーとスティーヴが引退後を見据えて共同経営するレストランの行方など、事件捜査以外の展開も波乱含みでファンをやきもきさせる。
刑事ものでは群を抜く女性人気
蔦屋書店 商品企画本部 映像レンタルの後藤信之氏によると、レンタルユーザーの年代は40~60代にまんべんなく利用されており、特に60代が多い。「1話完結形式で気軽に見られることと、美しいハワイを舞台にした迫力あるアクション、緊張感あふれる捜査、チームの人間関係を通したヒューマンドラマといったバランスのよいストーリー構成が、幅広い層に支持されています。70年代人気ドラマのリメイクであることから、往年のファンも多く取り込んでいます」
性別では「ここ数年にリリースされた刑事ものの中では、女性比率が高いのが特徴」。通常は女性が20~30%なのに対して、本作は約40%という。「青い空、白い雲、きれいな海、観光スポットといった、日本人が大好きなハワイの素晴らしさがいろんな視点から描かれていて、旅行気分も味わえるのが、女性に人気が高い理由と思われます。ハワイに行ったことがある人は懐かしさを覚えたり、再び行きたくなったりするのではないでしょうか」(後藤氏)
全米ではシーズン10でファイナルとなり、今年4月に最終回を迎えた。日本での放送やDVDリリースはまだ先になりそうだが、長く愛されてきたドラマだけに、ファイナル・シーズンの人気も盛り上がりそうだ。
(日経エンタテインメント! 小川仁志)
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