白内障、レンズ・手術法が進化 早めの対応がオススメ快適な「視生活」を目指そう(下)

日経ヘルス

2020/7/13
(写真はイメージ=PIXTA)
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白内障治療に用いる眼内レンズはさまざまあり、自分の趣味や生活スタイルに適したレンズが選べるようになっている。今回はタイプ別の眼内レンズの特徴とともに、手術機器の進歩についても紹介する。

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(図:三弓素青)

白内障に対しては、白濁した水晶体を人工の眼内レンズに交換する手術が一般的。「術前に比べ格段に視界がクリアになり、老眼や乱視も矯正される。不便を感じたら手術は早いほどメリットは大きい」とクイーンズアイクリニックの荒井宏幸院長。

(図:三弓素青)

眼内レンズには大きく単焦点と多焦点に分けられ、後者は従来の二焦点に加え、近年、遠、中、近距離ともクリアに見える三焦点レンズが登場。「同じ焦点数でもメーカーや種類により特徴がある。例えばゴルフ好きな人は遠距離が特によく見えるもの、読書や手芸が趣味なら近くに強いものといったように、個人の生活に合ったレンズの選択肢が増えている」(荒井院長)

この他、「見えやすい距離に幅をもたせたタイプのレンズが一部保険診療で使えるようになり、利用者が増えている」と荒井院長は話す。

(図:三弓素青)

手術機器も発達が目覚ましく「最新はレーザー白内障手術。切開やレンズを入れる角度などを機械で制御し、術者の腕によらず正確な切開ができる。加えて従来は水晶体を除去する際、超音波で砕きながら行っていたところ、レーザーで予めサイコロ状に細かく均等に砕いてから除去することができるので、よりスムーズかつ安全に行えるようになった」(荒井院長)。

術中に目の状態を検査できる機器(術中計測機器)も登場。「濁った水晶体を取り除いた状態で検査する方が、事前検査時よりも高精度に、合うレンズを割り出せる」(荒井院長)。機器のサーバーには世界各国の症例が蓄積され、定期的にデータが更新。その都度患者に最適なレンズの情報が提供されるほか、挿入位置までリアルタイムに指示してくれる。

(グラフ:増田真一)
荒井宏幸さん
クイーンズアイクリニック(横浜市)院長。日本眼科学会専門医。防衛医科大学校卒業後、国家公務員共済組合連合会三宿病院等を経て1998年に開業。近著に『「よく見える目」をあきらめない 遠視・近視・白内障の最新医療』(講談社+α新書)。

(ライター 福田[渡邉]真由美、構成 堀田恵美)

[日経ヘルス2020年2月号の記事を再構成]

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