頑張りすぎて疲れちゃいます脚本家、中園ミホさん

なかぞの・みほ 脚本家。東京都生まれ。TVドラマ「Doctor-X 外科医・大門未知子」「花子とアン」「西郷どん」などを執筆。「ハケンの品格」続編が放送開始。新刊『占いで強運をつかむ』が発売中。

仕事から家事まで、何ごとも頑張りすぎて疲れます。「ほどほどでいい」、「今日(きょう)は楽をしよう」と思っても、気がつくと普段より頑張ってしまっている自分がいます。特に料理はその傾向が強く、家族によれば、私から「おいしい?」と聞かれるのが怖いそうです。どうすれば6割くらいのエネルギーにとどめて、自分を許せるでしょうか。(埼玉県・30代・女性)

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つい自分を甘やかしてしまう私からすると、いつも頑張れる人はうらやましいと思います。ギアが100%、時には120%まで入っているんですよね。私の周りにも、そんなふうに頑張りすぎてしまう人がたくさんいます。

某テレビ局の女性プロデューサーは、連続ドラマの激務が終わってヘトヘトになって深夜に帰宅した翌日、朝からお風呂の掃除をしたそうです。それまで寝る間も惜しんで命削って働いていたから、普通ならその日くらい何もしないでだらっとしていればいいのに、ゴシゴシとブラシをかけちゃった。

でも、そういう人は長く生きていると、必ずいい結果を出しています。男社会が根強かった昭和の時代、頑張りすぎるくらいやらなければ、プロデューサーとして生き残ってこられなかったのだと思います。相談者さんも家事は完璧でしょうし、お仕事もなさっているのでしたら、周囲から頼りにされているのではないでしょうか。

問題はどうやって疲れをとるかです。休めばいいといっても、手を抜いてだらだらしていたら、ストレスがたまってかえって疲れちゃう。いっそのこと頑張っていた方が楽なんだと思います。

それを解決してくれるのが年齢です。相談者さんは30代とのこと。あと30年もして私くらいになると、体力も記憶力も衰えてきて、あらゆることが頑張れなくなります。私の周りで頑張っていた人たちも、今はだいぶ緩くなっています。だから大丈夫。それまではトップギアで走り続けてください。

一つだけアドバイスするならば、どうか周囲に見返りは求めないでください。「おいしい?と聞かれるのが怖い」とご家族がおっしゃっているとのこと。その光景を想像するとおかしくて。普通の人はここまで頑張れないから、相談者さんが意図しなくても、プレッシャーになってしまっているんですよね。

自分が好きでやっているんだから、人に喜んでほしいとか感激されたいといった思いは捨てた方がいいです。そうでなければ、家族も巻き込んでツラいことになっちゃうと思います。


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