アイデア発掘ならブレストが一番 共有だけは無意味クリエイティブディレクター 佐藤可士和(10)

写真はイメージ =PIXTA
写真はイメージ =PIXTA

日本を代表するクリエイティブディレクターの佐藤可士和氏。一日の多くは「打ち合わせ」で埋め尽くされているという。30を超えるプロジェクトが常時無理なく動いているという佐藤氏の仕事を支えているのは質の高い打ち合わせだ。文庫化された「佐藤可士和の打ち合わせ」から、同氏が実践する打ち合わせの極意をのぞいてみよう。

◇   ◇   ◇

《ブレインストーミング》
 すべての打ち合わせを
 「ブレインストーミング」
 にせよ

いいブレインストーミングとは何か?

みんなで思いつくままにいろんな意見を出し合って、時間をかけて、ひとつの方向に作り上げていく。いわゆる「ブレインストーミング」は、いろいろな会社で、さまざまな場面で使われているのではないかと思います。

僕の場合も、クリエイティブなミーティングに限らず、ほとんどの打ち合わせがブレインストーミングだといっても過言ではない。というより、すべての打ち合わせを自分でブレインストーミング的なものにしてしまっている、といえるかもしれません。

情報の共有が目的の打ち合わせだったとしても、ただ共有するだけなら、時間がもったいないと思うのです。なぜなら、共有以上に物事は進まないからです。

それなら、メールで共有するだけでも十分でしょう。共有以上のものを手に入れるのが、わざわざみんなが時間を使って集まる打ち合わせの意味だと思うのです。

例えば、何かの情報が与えられる場が設定されたとしたら、「一番重要なことは何か」というプライオリティをその場でブレインストーミングしながら確認したりします。そうすることで、情報の重要度を把握する精度を高めることができます。大事な情報は何か、しっかり確認ができる。ただ、情報を渡されているのではなく、理解を深められる。

すべての打ち合わせを、ブレインストーミング的なものにしてしまえばいいのです。

では、いいブレインストーミングをするにはどうすればいいのか。まず心得ておかなければいけないことがあります。

それは、いきなりアウトプットなんて出てこない、ということです。それは、クリエイティブミーティングやブレインストーミングに慣れたクリエイターでも同じです。

その心得をしっかり持っておくと、簡単に結論を出そう、という意識がなくなります。だから、例えばクリエイティブミーティングであれば、最初から1回で決めようとは考えません。例えば、全部で3回やろう、と決めておいて、1回目、2回目、3回目で、それぞれの回でやるべきことをイメージしておくのです。

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