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1階入り口のメインの平台に3列並べて展示する(八重洲ブックセンター本店)

1階入り口のメインの平台に3列並べて展示する(八重洲ブックセンター本店)

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測している八重洲ブックセンター本店だ。6月に入っても在宅勤務が続いている企業も多く、客足の戻りは鈍い。それでもコロナ後を見通す本などを中心に新刊がそろい、書棚にはにぎわいが出てきた。そんな中、書店員が注目するのはトヨタ自動車の豊田章男社長の実像に迫ったベテランジャーナリストのノンフィクションだった。

1人の男の苦悩と成長のドラマ

その本は片山修『豊田章男』(東洋経済新報社)。著者の片山氏はパナソニック、ソニー、ホンダなど日本企業を題材にしたノンフィクションを数々ものしてきたベテランジャーナリストだ。本書は週刊東洋経済に2019年4~11月に連載した「豊田章男 100年の孤独」を大幅に加筆修正して1冊にまとめた。「彼を知ることは、トヨタを知ることであると同時に、1人の男の苦悩と成長のドラマを見つめることにつながる。彼の生き方や考え方は、先の読めない現代を生きる経営者やビジネスパーソン、また、自らの進路に悩む若い人たちにとっても、大いに参考になるだろう」。著者は「はじめに」にそう書きつける。

全体は2部構成。第1部は「人間」と題し、生い立ちからトヨタでのサラリーマン時代、テストドライバーとしてのもう一つの顔、豊田家継承者としてのありよう、イチローとの対話など4つの章で人間豊田章男を多面的に深掘りする。「どうせ社長の息子」「豊田の名前があるからできる」といわれ続け、「自分自身を見てほしいと思っていた」と振り返る小中学校時代、ホッケー部に所属し、実力で評価されるスポーツの世界で「個」としての力で勝負し、日本代表に選出されるところまでいった大学時代など、人間豊田章男の原点ともいえるエピソードが様々に拾われる。「サーキットやピットでは、肩書は関係ない」として、ドライバーのモリゾウというもう一つの顔を生きる姿も興味深い。

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