巣ごもりで広がる「ラジオが好き」 学校や個人も配信

番組の配信でも感染対策は欠かせない(2020年6月、東京・渋谷のコミュニティFM「渋谷のラジオ」スタジオ内)
番組の配信でも感染対策は欠かせない(2020年6月、東京・渋谷のコミュニティFM「渋谷のラジオ」スタジオ内)

在宅勤務など巣ごもりの時間が長くなる中、ラジオを聴く人が増えています。スマートフォンやパソコンでも聴けるインターネットサービス「radiko(ラジコ)」の月間利用者数は4月に約910万人と過去最高を記録しました。学校や個人が放送を配信するなど、新たな担い手も生まれています。

さいたま市立河合小学校は4月28日、7人の先生が登場する約5分間のラジオ番組を放送しました。新型コロナに伴う休校措置で自宅で過ごす児童向けに、声だけで先生の名前を当てるクイズ形式です。同校として初の試みをネットでも配信すると「子どもが繰り返し聞いている」といった感想が保護者から集まりました。岡田健彦校長は「非常に効果的な情報発信ができた」と驚いています。

番組を企画したのは同市浦和区のラジオ局「CityFMさいたま」で、4~5月にさいたま市立の全小中高校に放送の機会を提供しました。中継を聴き逃した人が学校特番を動画サイトで再生した回数は計4万6千回を記録。担当した小林憲弘常務は「非常時こそ地域の情報を配信するラジオの役割を果たせた」と自負しています。

総務省によると、地域限定でラジオを流すコミュニティ放送は2018年度末に325局と10年前に比べて98局増えました。東日本大震災後に災害時のメディアとして注目を集めたことに加え、番組配信の手軽さも普及の背景にあるようです。

東京・渋谷のコミュニティ放送「渋谷のラジオ」は外出自粛を受け、3月末から電話やビデオ会議サービス「Zoom」による収録に切り替えました。パーソナリティーを務める西樹さんは「普段から出演者と電話で話すやりとりを放送してきたので、非常時でも番組作りは苦にならなかった」と話します。

配信の手軽さは個人にも浸透しています。スマホがあれば誰でも番組を配信できるネットサービス「ラジオトーク」は5月の利用者数が前年比5.5倍に急増しました。利用者同士の会話を配信することもできるため「おしゃべりのきっかけにしてくれた人も多かった」(井上佳央里社長)そうです。

漫画家の瀧波ユカリさんも自粛期間中に同サービスでラジオ番組を配信しました。「テレビやネットでは新型コロナの情報ばかりがあふれていたので、何気ない話を聞いたり話したりしたくなった」といいます。

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