在宅会議中の来客も聞き分け ソニー「外音」イヤホン

ソニーから左右独立型の完全ワイヤレスイヤホンの新製品2機種が登場した。右が「WF-SP800N」、左が「WF-XB700」

新型コロナウイルスの感染症拡大により、テレワークでビデオ会議に参加する機会が増えている。ケーブルが引っかかる煩わしさがないワイヤレスイヤホンへの注目が高まり、特に周囲の環境音を消して、イヤホンからの音に集中できるアクティブ・ノイズキャンセリング(ANC)機能を搭載した製品が人気だ。

ソニーから、新しい左右独立型の完全ワイヤレスイヤホンが一気に2機種発売された。話題のアクティブ・ノイズキャンセリング機能を搭載する「WF-SP800N」と、ソニーの完全ワイヤレスイヤホンとして初めて1万円台の手ごろな価格を実現した入門機「WF-XB700」だ。両製品の特徴をチェックしよう。

ビデオ会議からスポーツシーンにも使える

ソニーが発売する左右独立型の完全ワイヤレスイヤホン「WF-SP800N」もANC機能を搭載する。オンラインストアの販売価格は2万4000円(税別、以下同)。ソニーのANC機能を搭載するフラッグシップモデルの「WF-1000XM3」(2019年7月発売、2万5880円)に比べて少し値段はお手ごろだ。

さらにWF-SP800Nは本体が防じん・防水仕様となっている。屋外で音楽を聴いているときに雨に打たれても、イヤホンが汗にぬれても、水分を拭き取れば壊れることなく安心して使える。

自宅にこもる時間が長くなり、テレワークで体調を崩したという友人が筆者の周りに多い。イヤホンで音楽を聴きながら体を動かせば、やる気のアップにもつながるので、友人に防水機能を備えるスポーツタイプのワイヤレスイヤホンを1台渡してみたところ、近ごろは体を動かす機会が増えているそうだ。

アクティブ・ノイズキャンセリング機能を搭載する防水対応の「WF-SP800N」

WF-SP800NはソニーのEXTRA BASSシリーズに名を連ねる「迫力の重低音再生」を看板に掲げているが、サウンドはクリアでバランスがよく、様々なジャンルの音楽にマッチする柔軟性がある。起伏に富んだタイトな低音が心地よく、アップテンポなロックやポップスの軽快なリズムを引き出す。

専用ケースでイヤホンを充電。イヤホン単体で約9時間の音楽リスニングが可能。ケースによる充電をプラスすると、最大約18時間のリスニングが楽しめる

在宅ワークに欠かせない「外音取り込み機能」も搭載

ANC機能の他に、イヤホンに内蔵するマイクで集めた環境音を再生中の音楽とミックスして聞ける「外音取り込み」機能も搭載する。各機能は本体のタッチリモコンからリスニングシーンに合わせて切り替えられる。ただ、使い始めて最初のうちは操作しづらいかもしれない。そこでお薦めしたいのが、自動切り替え機能の「アダプティブサウンドコントロール」だ。

本機とペアリングしたスマホにソニー独自のアプリ「Sony | Headphones Connect」をインストールする。アダプティブサウンドコントロールの機能をオンにすると、ユーザーの行動を「止まっている/歩いている/走っている/乗り物に乗っている」ときの4パターンに分類・解析して、ANCと外音取り込みの切り替えとバランスをアプリが自動調整してくれる。通勤時間にスマホで音楽や動画を楽しむことが多い人には特に便利な機能だろう。

今やワイヤレスイヤホンの多くがハンズフリー通話機能を搭載している。ノイズキャンセリング機能があれば、ビデオ会議の音声に集中しやすい。反対に外音取り込み機能をオンにしておくと、ビデオ会議の最中に人に話しかけられたり、一人で家にいるときに来客などでチャイムが鳴ったりしても反応できる。テレワークスタイルに有効な機能だ。

専用アプリ「Sony | Headphones Connect」と連携するアダプティブサウンドコントロールにより、ノイズキャンセリングと外音取り込みの機能をイヤホンを使用するシーンに合わせて自動で最適化できる

イヤホン本体はとても軽く、シリコン製のイヤーピースと「アークサポーター」と名付けられたフックを耳のくぼみに掛けて装着する。

シリコン製のアークサポーターとイヤーピースによる安定したフィット感が得られる

アークサポーターを装着したまま収納できる充電ケースは、サイズが少し大きめだ。しかしイヤホン単体でも約9時間の連続音楽再生が楽しめるスタミナ性能を実現している。あえて充電ケースを家に置いて出かける手もありだ。アプリからイヤホンの電源をオフにして、音楽を聴きたいときにだけオンにして使えば、バッテリーの消耗も防げる。イヤホンをなくさないように、持ち運び用として小さめのポーチなどを用意するといいだろう。

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ソニー初、1万円台の完全ワイヤレスイヤホン