トヨタ4代目「ハリアー」 静かさアップ、世界に挑む

2020/7/5
開発者いわく、コーナリングの特性については「しなやか・滑らかな質感」を意識。実車の挙動は確かに自然で、アンダーステアに至った後の遷移も穏やかだった

基本的にはRAV4と同じパワートレインながら、80kg前後と大人1人分の重量差があることも影響してか、動力性能のほうはハイブリッドでは余裕が感じられるも、ガソリンでは“きっちりカツカツ”という印象だ。スペシャリティーモデルへの期待値から、さらなるゆとりが欲しいというニーズがあってもおかしくはないだろう。とあらば、同じアーキテクチャーゆえ転用は難しくないだろう「RAV4 PHV」のシステムを搭載するプレミアムグレードの設定なども今後は考慮されるかもしれない。

“日本のクルマづくり”を支える一台となるか

ハンドリングは至って理にかなったものにまとめられている。くだんのダンパーも貢献してか、ロール量やロールの推移は中立的で、変なクセは感じられない。車格や重心、装着タイヤ等を鑑みれば、かなり高いところにある限界付近まで、後軸はしっかり粘り抜き、そこから向こうも穏やかなアンダーステアが発生……と、セオリーに忠実なセットアップだ。

純ガソリン車に搭載される「M20A-FKS」型2リッター直4直噴エンジン。パワーユニットやドライブトレインは基本的に「RAV4」と同じだ
上級モデルならではの充実した装備も新型「ハリアー」の見どころ。ボタンひとつでガラスがくもり、透過光がやわらかくなる「調光パノラマルーフ」はトヨタ初の装備となる

運動性能という点でいえば、車重の軽さが生きるガソリン+FFの組み合わせがベストかと思いきや、意外と最重量級のハイブリッド+4WDの組み合わせも悪くない。重さの大半が低位置にあるがゆえの落ち着いた挙動と、後輪を積極的に駆動して旋回にも活用するE-Fourのアクティブ感とのバランスが、スペシャリティーカーらしい動きの上質さとして受け止められる。

取材時点では新型ハリアーの価格帯は未定だったが、聞くところによれば「同級装備比でも前型に限りなく近いところに収まりそう」とのこと。そして生産は、輸出仕様も含めて現状はすべて高岡工場の予定となっている。豊田社長のコミットである国内300万台生産体制を支える上でも、相当強力な一台になるだろう。

(ライター 渡辺敏史)

■テスト車のデータ
トヨタ・ハリアー ハイブリッドZプロトタイプ(4WD)
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4740×1855×1660mm
ホイールベース:2690mm
車重:1770kg
駆動方式:4WD
エンジン:2.5リッター直4 DOHC 16バルブ
フロントモーター:交流同期電動機
リアモーター:交流同期電動機
トランスミッション:CVT
エンジン最高出力:178PS(131kW)/5700rpm
エンジン最大トルク:221N・m(22.5kgf・m)/3600-5200rpm
フロントモーター最高出力:120PS(88kW)
フロントモーター最大トルク:202N・m(20.6kgf・m)
リアモーター最高出力:54PS(40kW)
リアモーター最大トルク:121N・m(12.3kgf・m)
システム最高出力:222PS(163kW)
タイヤ:(前)225/55R19 99V/(後)225/55R19 99V(トーヨー・プロクセスR46A)
※数値はいずれも「Z“レザーパッケージ”」の参考値(タイヤを除く)


トヨタ・ハリアー ハイブリッドZプロトタイプ(FF)
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4740×1855×1660mm
ホイールベース:2690mm
車重:1710kg
駆動方式:FF
エンジン:2.5リッター直4 DOHC 16バルブ
モーター;交流同期電動機
トランスミッション:CVT
エンジン最高出力:178PS(131kW)/5700rpm
エンジン最大トルク:221N・m(22.5kgf・m)/3600-5200rpm
モーター最高出力:120PS(88kW)
モーター最大トルク:202N・m(20.6kgf・m)
システム最高出力:218PS(160kW)
タイヤ:(前)225/55R19 99V/(後)225/55R19 99V(トーヨー・プロクセスR46A)
※数値はいずれも「Z“レザーパッケージ”」の参考値(タイヤを除く


トヨタ・ハリアーG“レザーパッケージ”プロトタイプ
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4740×1855×1660mm
ホイールベース:2690mm
車重:1620kg
駆動方式:FF
エンジン:2リッター直4 DOHC 16バルブ
トランスミッション:CVT
最高出力:171PS(126kW)/6600rpm
最大トルク:207N・m(21.1kgf・m)/4800rpm
タイヤ:(前)225/60R18 100H/(後)225/60R18 100H(ダンロップ・グラントレックPT30)
※数値はいずれも「Z“レザーパッケージ”」の参考値(タイヤを除く)

[webCG 2020年6月12日の記事を再構成]

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