トヨタ4代目「ハリアー」 静かさアップ、世界に挑む

2020/7/5
NVH関連については、ドアを閉めた時、走りだした時、そして高速走行時と、移動における各シーンで静かさを実感できるよう設計されている

「RAV4」と同じところと違うところ

新型ハリアーの車台は現行「RAV4」と同じ「GA-Kプラットフォーム」をベースとして、各部に専用のチューニングが加えられている。ホイールベースは同じ。トレッドは装着タイヤサイズの違いによって、若干幅広になるという。TNGA世代となったことによる骨格レベルからの動的質感改善は明らかで、その数値化のひとつを挙げれば、静的ねじり剛性は前型比で実に78%の向上をみた。

一方で、“ハリアーらしさ”という点で強く意識されたのは静粛性で、遮音・吸音・制振材の配置は吟味され、物量も豊かに投入されている。また、すっきりと上質な乗り心地を目指し、直進時の低摩擦性と旋回時の高摩擦性を機械的に両立した専用ダンパーを設定。これは「カローラ スポーツ」で用いられたアイデアを活用したものだという。加えてEPS(電動パワーステアリング)も直進時の据わりのよさや操作質感の向上を狙って、ラック同軸型ではなくラックパラレル型を採用している。

搭載されるパワートレインは2リッター4気筒ガソリンエンジンと2.5リッター4気筒ガソリンエンジン+ハイブリッドの2つ。いずれも現行RAV4と同じ、最新世代の「ダイナミックフォースユニット」となる。ともに4WDの設定もあるが、純ガソリン車のシステムは「RAV4アドベンチャー」などで採用されたダイナミックトルクベクタリング型ではなく、コンベンショナルなダイナミックトルクコントロール型を採用。ハイブリッドの側は後軸モーターを積極的に多用する新世代のE-Fourとなっている。

いずれも、今回の車両は未登録のプロトタイプということもあり、試乗環境も限られたものとなったが、逆に公道では試せない限界挙動などはきちんとチェックできた。

空調や音響機器のコントローラーはタッチ式。操作性を考慮し、押しボタンやダイヤルによるコントローラーの採用も検討したが、オーナー調査をしたところ「タッチ式がいい」との声が多数を占めたため、この方式が継承されたという

快適性にはかなり期待できる

走りだしから感じられるのは、力を入れたという静粛性の高さだ。頻繁にモーターで駆動するハイブリッドはもちろん、ガソリンユニットの側も発進のための専用ギアを持つCVTを採用することもあり、回転をぶざまに高めずとも効率的に駆動力を引き出すことができる。そういった双方の基本特性に加えて、前述の通り遮音が気遣われていることもあって、低中速域での静かさはクローズドコースという路面のよさを差し引いても際立っていた。

限られた環境の中、路面のパッチや舗装の境目、ゼブラゾーンなどを使ってみた限りの話にはなるが、新型ハリアーは乗り心地についても期待しておいてよさそうだ。タイヤは3つのグレードに応じて17~19インチが装着され、今回は18インチと19インチでの試乗となったが、フィードバックに大差はない。バネ下の大きさ、重さを持て余す感もなく、大入力があってもオツリは最小限にスッと収束させる。公道では不規則なくぼみやわだち、人工的な目地段差など、特性の異なる入力もゴマンとあるが、足まわりからはそれらに柔軟に対応できそうな余力が感じられた。

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