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ベンツGLS 巨体でもエレガント、先進技術も充実

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メルセデス・ベンツのフラッグシップSUV「GLS」がフルモデルチェンジ。クリーンディーゼルエンジンを搭載する最新型はどんなクルマに仕上がっているのか、3列シートの使い勝手を含めリポートする。

日本の道ではデカさが際立つ

日本人の目にはどうにも"うすらデカい"と感じるバンを、"ミニ"と称してはばからない北米市場。そこでスリーポインテッドスターを付けたSUVのトップを張るのが、メルセデス・ベンツGLSである。20世紀の終わりに、"アラバマ・メルセデス"の異名を取った「MLクラス」が生産されて以来の、タスカルーサ工場で生産される。

念のため確認しておくと、GLSのネーミングは、メルセデスのSUVを意味する「GL」にハイエンドモデルの「S」を組み合わせたもの。以前は単に「GLクラス」と呼ばれていたが、SUVラインナップの拡充に対応してヒエラルキーを明示するため、先代の途中からGLSとなった。だから、2019年のモデルチェンジで登場したこの最新世代が、ある意味最初の"真正"GLSといえる。

新しいGLSは、旧型より60mm延長された3135mmのホイールベースに、全長5220mm(「AMGパッケージ」装着車。以下同じ)の3列シート7人乗りボディーを載せる。全幅は2030mm。全高は1825mm。堂々たる体躯(たいく)である。やはり北米生まれの弟分「GLE」でさえ極東の島国では少々もてあますサイズだから、いわんやGLSをや。

ただ太平洋の向こう側では、トップSUVの5m超えは当たり前。ドイツ勢ほか、キャデラック、リンカーンといったプレミアムブランドはもとより、むしろ庶民派のシボレーやGMCの方が大柄で、さらに実用的なピックアップトラックでは6mオーバーも驚くにあたらない。かの地では、クルマのビッグサイズは"押し出しのため"だけではないのだ。

ただよう"プレミアムの余裕"

駐車場に止められた新型GLSを前にすると、絶対的にはたしかにデッカいが、意外や威圧感はそれほどでもない。メルセデスの乗用車系は、近年、尻下がりのイメージをまとったエレガントなスタイルとなっており、ニューGLSもそうした上品路線に沿ったか、ソフトでシンプルなボディーパネルを用いた穏やかな外観を採る。デザイナー言語では「Sensual Purity(官能的純粋)」ということになるそうだが、ことさらイキる必要のない"プレミアムの余裕"といったところでしょうか。試乗車は内外装をスポーティーに仕上げるAMGラインをオプション装着していたが、21インチのAMGホイールが言いしれぬ迫力を醸すほかは、全体に節度ある姿に抑えられている。

インテリアは先行してモデルチェンジを果たしたGLEに準じたもの……というと語弊がありそうだが、やはり「先進」と「伝統」の巧みなミックスが印象的。具体的には、12.3インチの液晶パネルを2枚並べた近未来的なインストゥルメントパネルを目の前に広げる一方、保守的なユーザー層を満足させるべく、ウッド(AMG仕様のマットなもの)とレザーをぜいたくに使用する。そのいかにも「顧客の嗜好(しこう)を把握しています」感は、小憎らしいほどだ。センターのトンネルコンソールには、クルマが左右に大きく揺れる際につかまる丈夫なグリップが生え、SUVであることを主張する。

もちろん「ハイ、メルセデス!」と呼び出してエアコンやナビゲーションシステムを口頭で操作するインフォテインメントシステム「MBUX」や、事故発生時の通報やコンシェルジュサービスを受けるためにコールセンターとつながる「メルセデス・ミー・コネクト」、半自動運転を目指す各種運転支援機能などは標準装備。安全面の充実もいうまでもない。ただ、グローブボックスに仕込んで心地よい芳香を拡散する「パフュームアトマイザー機能」は、ちょっとやりすぎかも!?

日本市場には、2.9リッター直6ディーゼルターボ(最高出力330PS、最大トルク700N・m)を搭載する「GLS400d 4MATIC」と、4リッターV8ツインターボ(同489PS、同700N・m)の「GLS580 4MATICスポーツ」が輸入される。トランスミッションはいずれも9段AT。電制多板クラッチを介して駆動力を前後0:100~50:50の間で分配する4輪駆動システムを採用する。足まわりは、どちらも「AIRマティック」ことエアサスペンションだ。価格は、1263万円と1669万円。

あきれるほどスムーズ

この日の試乗車は、ディーゼルモデルの400d。エンジンをかけてから意地悪く車外に出てノイズをチェックしてみるのだが、それでもエンジン音はごく控えめ。音質でディーゼルと知れるが、再びクルマの中に入ってステアリングホイールを握ってしまえば、パワーソースのことなど忘れてしまう。静かだ。燃料補給時には「軽油!」と自分に言い聞かせないと、危ない。

大きな体に700N・mの力持ち。「さぞや」と期待して走り始めると、メルセデスのトップ・オブ・SUVは、あきれるほどスムーズでおとなしい。最大トルクはアイドリングプラスの1200rpmから発生するうえ、多段オートマがさっさとギアを上げていくので、ディーゼルターボはうなるヒマもない。

高速道路でも、100km/h巡航時には9速1400rpm。バルクヘッドの向こうでストレート6が粛々と回っているだけ。キックダウンを利かせると5速2800rpmとなるが、「猛然と加速する」さまは見せない。なにごともないように速度を上げ、澄ました顔で走り続ける。絶大なアウトプットより、空力の良さがモノを言う。

乗り心地もいい。メーカーとしていかにも使い慣れた風のエアサスペンションは、しなやかでラグジュアリー。ペダルに軽く足を載せておくだけで、SUVの大きな体が滑るように進んでいくフィールは……これはあくまで想像なのですが、かつてのアメリカンフルサイズカーの「ゴージャスさ」に通ずるものがあるんじゃないでしょうか。アメリカ人、好きそう。惜しむらくは、偏平タイヤ(前45/後ろ40)の路面への当たりが少々硬いこと。時にコツコツくる。AMGの大径ホイール、カッコいいんだけどね。

試乗車にはまた、オフロード性能をグレードアップする「オフロードエンジニアリングパッケージ」が装着されていた。これは、前後の駆動力配分の幅を広げ、ローレンジのギアが加わり、アンダーフロアパネルが強化されるもの。車両制御の電子制御もオフロードに特化した設定を選ぶことができる。GLSの底知れぬポテンシャルをさらにアップするセットオプションで、価格は22万2000円。「オッ、安い!」と感じるオーナーの人も多いのではないでしょうか。

実用性もキッチリ

セカンド、サードシートもチェックしておこう。2列目は足元、頭上ともまったく十分な余裕あり。気になったのは座面の高さで、長足の欧米人に合わせたためか、足の長さに不足がある自分などは「ちょっと高すぎない?」と感じてしまう。悲しい。センターシートは、クッションが硬くて、控えめとはいえフロアにセンタートンネルの出っ張りがあるので、通常は幅狭の背もたれを前に倒して、2列目乗員のひじ掛けスペースとして活躍することになろう。

サードシートは、前のシート同様がっしりしたつくりで、しっかりしたヘッドレストが備わる。エアコンの吹き出し口、シートヒーター、さらには2つの電源端子まで設けられるが、スペースは限られる。座面は低め。セカンドシートが通常の位置だと、背もたれの裏にサードシート乗員のひざがぶつかるので、2列目乗員の協力を得て、少し前に出してもらう必要がある。頭まわりの空間は確保される。2人用として、ほどほどに実用的な3列目である。

荷室に関しては、車体の大きさを生かして、サードシートを起こした状態でも355リッター(VDA方式)の容量がある。側壁には、サードシートに加え、セカンドシートの背もたれを倒すスイッチまである。荷物を持ってテールゲートを開けてから、その場でラゲッジルームの広さを調整できるわけだ。3列目を収納してしまえば、ゴルフバッグを4個搭載できるという。

メルセデス・ベンツGLSのカタログを繰ると、「ラグジュアリーの神髄をまとう、フラッグシップSUV。」と、どこかマンションポエムを思わせるキャッチコピーが踊るが、むしろあまり力まないのが今度のGLSの良さだろう。スリーポインテッドスターを振りかざして、前のクルマを押しのけるようにハイウエーを行くのはもう流行(はや)らない。ソフトな外観にたがわず、走らせてみても、気は優しくて力持ち。実用性も高い。思わぬクルマで「古き良きアメリカ」を発見した気分だ。

(ライター 青木禎之)

テスト車のデータ


ボディーサイズ:全長×全幅×全高=5220×2030×1825mm
ホイールベース:3135mm
車重:2590kg
駆動方式:4WD
エンジン:2.9リッター直6 DOHC 24バルブ ディーゼル ターボ
トランスミッション:9段AT
最高出力:330PS(243kW)/3600-4200rpm
最大トルク:700N・m(71.4kgf・m)/1200-3200rpm
タイヤ:(前)275/45R21 109Y/(後)315/40R21 111Y(コンチネンタル・スポーツコンタクト6)
燃費:10.9km/リッター(WLTCモード)
価格:1263万円/テスト車=1347万6000円
オプション装備:メタリックペイント<ダイヤモンドホワイト>(11万9000円)/AMGライン(50万5000円)/オフロードエンジニアリングパッケージ(22万2000円)

[webCG 2020年6月15日の記事を再構成]

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