内定してもモヤモヤ 「ウェブ就活」元年、薄い手応え就活探偵団

面接に向かう就活生(6月上旬、都内)
面接に向かう就活生(6月上旬、都内)

2021年卒業予定の学生の就職活動は早くも佳境を迎えている。今年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で急きょウェブ就活に切り替わるなど異例の事態に見舞われた。学生たちはどのように戦ってきたか、探偵団が21年卒就活の前半戦を総括する。

「来春から仕事に適応できるか、今からものすごく不安なんです」。第1志望の総合電機メーカーの内定をもらい就活を終えた、関西の国立大4年の男子学生はこう訴える。内定をもらったのはほかに損保や証券、通信など大手7社。社名を聞けばどれも人気企業ばかりの「内定長者」だ。しかし彼の表情はすっきりしない。

新型コロナの影響で就活の舞台はウェブ上に移った。ウェブ就活の利点は自宅に居ながら様々な企業を受けられる点だ。「自分は何に向いているかわからないからとにかく受けてみよう」。そう思って各業界の著名企業の説明会などを片っ端から聞いた。

対面の面接と違い、電車に乗るなどの移動時間が一切ない。1日に何件も説明会や選考を詰め込むことができ効率的だった。結果的に予想を上回る数の内定をもらうことができた。それ自体には満足している。

しかし「なぜ受かったのかよくわからないんです。それに内定をもらった会社のことは、いまだによくわかっていません」。受ける会社に出向いて説明会に参加したり、OB・OG訪問したりして足で稼ぐのが就活の基本だが、今年はそうした機会がなく、会社研究を深めることができなかった。

対面であれば面接の前後に人事担当者と気を抜いて話すタイミングがあり、その場で面接の手応えを確認できただろう。だが、始まりも終わりもスケジュール通りにボタン1つで済んでしまうウェブ面接に雑談の時間は生じようもなく、手応えも会社の雰囲気もつかみきれないままだった。

「臆せずもっと密に会社とコミュニケーションを取ればよかった」。就活が終わってもモヤモヤは消えない。

今年は新型コロナが学生の就活を直撃した。大手就職情報会社のマイナビの調査によると、5月末時点の内定率は48%。前年同月比で13.8ポイント低下した。前年割れは2カ月連続だった。

しかし1人当たりの内定(内々定)獲得社数をみると1.7で、昨年度(1.9社)と大きくは変わらない。つまり「もらっている人はもらっている」という構図だ。

外出自粛になり、学生が情報収集する環境は昨年と大きく変わった。都内のある私大のキャリアセンター幹部は「今年は企業研究が不十分のまま会社を選ばざるを得ないケースが多かった」とみている。

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