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コロナ禍にめげず 熱き思いで開店した首都圏注目2店

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NIKKEI STYLE

新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言の解除で、首都圏でも休業していたラーメン店が営業を再開した。とはいえ営業時間の短縮や席間距離の確保、入店時のアルコール消毒などの対策付きで、食べ手の側もひたすら食べることに集中を強いられ、いまだコロナ禍の残滓が色濃く残る。

新型コロナの脅威にさらされる中、新規開業を果たした店も少なくない。「こんなご時世だからこそ、腕によりをかけて創る1杯を食べてほしい」。作り手側の熱い思いが直に伝わってくるようでもある。だからこそ今回は首都圏に最近、オープンした新店の注目処を2軒厳選し、紹介したい。「新しい生活様式」を守りつつ、折を見て足を運んでみてほしい。

◆麺創庵砂田【東京都:庚申塚】

齢50過ぎにしてラーメン職人の道に。繰り出すのは円熟味溢れる白河ラーメン!

まずは本年4月30日に東京・巣鴨の地にオープンした『麺創庵砂田』。

同店の店主、砂田裕史氏は、日本を代表するラーメンコンサルタントのひとり、渡辺樹庵氏率いる『渡なべスタイル』の下で2年間修業し、満を持して独立した人物。

驚かされるのが、齢50を過ぎてから脱サラし、ラーメン職人へと転身を果たしたことである。50歳と言えば、中国の古典『論語』では「知命」と呼ばれ、「50にして天命を知る(50歳になって初めて、自分の人生についての天命が何かを悟る)」とされた年齢だ。

修業を経て、庚申塚駅からもほど近い地に店をオープンする際に「ようやくスタート地点に立てた」と述懐した砂田店主。「お客さんに何度も来店してもらえるような、地域に根付いた店になれるようラーメン職人として研鑽を重ねたい」。そう語る店主の生き様は、「スタート地点」が「新たな人生のスタート地点」という意味だとすれば、まさに「50にして天命を知る」という言葉どおりのものだ。

店主が手掛ける麺メニューは、「中華そば」とそれにワンタンを添えた「ワンタン麺」の2種類。福島県のご当地ラーメン「白河ラーメン」へのリスペクトが高じ、ラーメンの提供ジャンルを白河ラーメンに決定したという。

提供される1杯は、本場での修業経験がないとは信じられないほどの本格派だ。

スープは厳正な温度管理の下、名古屋コーチン・博多地鶏などの銘柄鶏のガラ・モミジを丁寧に炊き上げることで、万人の鼻腔(びくう)を歓喜へと導く芳香を演出。さらに豚ゲンコツ・背ガラ等を駆使し、鶏をどっしりと支える「コク」の土台を構築するとともに、うま味の相乗効果を図るため、コンブなどの乾物を効果的に活用した試行錯誤のたまものだ。

華やぎのある香りが印象深い鶏油の介添えも相まって、一度手を付けたら最後、レンゲを持つ手がとまらない味わいの演出に成功している。

スープに合わせる麺も、手間ひまを度外視した自家製。手打ち、手もみを徹底的に施し、数日間かけて熟成させた麺は、本場・白河で提供される麺に比べると、やや細めだが、スープを過不足なく持ち上げ口元へと運び込む力強さが魅力。プルンとした食感は申し分なく、そのクオリティーは、オープンしたばかりの店とは思えないほど高い。

トッピングの完成度の高さもピカイチだ。国産豚のもも肉を炭火でつるし焼きにしたチャーシューは、本場・白河ラーメンの炭火焼きチャーシューに負けずとも劣らない会心の出来ばえ。

「今後も様々な人たちの意見を参考に、味のブラッシュアップを図っていきたい」と砂田店主。

コロナ禍のまっただ中という最悪のタイミングでの開店に関わらず、評判が評判を呼び、日によっては公式の営業時間終了を待たずして完売するほどの人気ぶり。訪問するなら、オープン前に店前にアクセスする位の気概を持って臨むのが正解だろう。

◆麺屋咲【千葉県:東中山】

食べ進めるにつれ、移ろう味わい!店主の想いこもる渾身(こんしん)の1杯を堪能せよ

「ラーメンは素材の選び方や調理の仕方の違いで無限の味わいが創り出せる魅力的な料理。ひとつの丼の中で味を表現するというラーメンならではの特長もある。そういう条件の下、どこまで食べ手に喜ばれる1杯を創り出せるかを考え抜くのが、ラーメン職人の醍醐味だと思うんです」

そう語る店主、福田真士氏が千葉県船橋市東中山の地に『麺屋咲』を構えたのは、今年2月18日のこと。

店主は試行錯誤の末、仕上げに注ぎ込む香味油について、丼手前側と奥側とで異なる種類のものを用いるというギミックを編み出した。手前側の油(シイタケ・アンチョビ・ポルチーニを使用)とスープが交ざり合えば、豊かなコクと重厚なうま味が生まれ、奥側の油(キインメダイ・ショウガ・ニンニクを使用)とスープが一体化すれば、ほうじゅんな香りと華やかなうま味が立ち上がる。

「食べ進めるにつれて、食べ手が感じ取るうま味が刻一刻と変化する。幾種類もの素材をバランス良く配し、そんな1杯を創り上げたかったのです」。提供された「中華そば(醤油)」は、まさに、店主が語る構成どおりに仕上がっている。その「決まり具合」に、思わず、感嘆のため息がもれた。

素晴らしいのはギミックだけではない。ベースとなるスープも、実に丁寧、かつ、しっかりとした造りだ。鶏・豚ゲンコツ・豚足等の動物系を丁寧に炊き上げ、煮干し等の魚介素材を、店主が最適と考えるバランスで掛け合わせただしは、鶏の滋養味を豚のコクがしっかりと支え、煮干しの和風味が花を添える盤石のでき。

丹念な手もみが施された『浅草開化楼』製の太麺のすすり心地の良さ、たくましい太麺が巻き上げるスープに含まれるうま味の分厚さも、特筆に値する。気が付けば心身ともにすっかり魅了され、レンゲを運ぶ手が止まらない自分がいた。

1杯の丼に物語(ストーリー)がある。同店が、今年の最注目の新店のひとつであることは、もはや疑いの余地はない。

(ラーメン官僚 田中一明)

田中一明
1972年11月生まれ。高校在学中に初めてラーメン専門店を訪れ、ラーメンに魅せられる。大学在学中の1995年から、本格的な食べ歩きを開始。現在までに食べたラーメンの杯数は1万4000を超える。全国各地のラーメン事情に精通。ライフワークは隠れた名店の発掘。中央官庁に勤務している。

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