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事業支援特集

2020/6/20

事業支援特集

約10年前の東日本大震災と・福島第1原発事故の際はどうだったか。直後に三国シェフの脳裏にあるキャンペーンのことが浮かんだ。2001年秋の米同時テロ。その直後から地元レストランなどが取り組み始めた動きである。ニューヨークのレストランなどに2人で来店したら1人分の食事代はタダにし、その分を街の活性化や復興の原資に充てる、というもので、多くの市民が協力した。

それをヒントに、シェフは「2人で来店したら1人分はタダにし、さらに支払ってもらった料金の半額を被災地に寄付する」キャンペーンを独自に始めた。

キャンペーンを始めるにあたり、まずは当時の顧客約2万人に一斉にダイレクトメールを送付。その結果、顧客ら多くの賛同を得て、その年のオテル・ドゥ・ミクニの売り上げは「過去最高を記録」するに至る。

バブル崩壊やリーマン・ショック、阪神大震災や東日本大震災など過去、大規模不況や大規模災害に見舞われたが、いずれは景気も回復し、災害からの復興の道をたどってきたのが、これまでの歴史。だが、今回のコロナ禍は実態がいまだつかめておらず、特効薬やワクチンの開発もまだ。第2波、第3波の感染拡大への不安や、その備えも欠かせない。

「自社の強みとは何か」を念頭に

見えないウイルスが悪さをし、人から人へと感染を広げる恐怖が付きまとい、収束する気配は現時点ではない。

緊急事態宣言が解除されて以降、段階的にランチやディナーの営業を再開した。「予約客は少ないとはいえ、昼、夜とも来店してくれるだけありがたい。今年後半にかけて、閉店する店がどんどん出てくるはず」と三国シェフ。

打開策を練る上で、シェフが念頭に置くのは「自社の強みとは何か」。東京・四ツ谷の店の創業35年を筆頭に、横浜や名古屋、札幌などどこの店舗もそれなりの歴史を誇る。一定の顧客をしっかりとつなぎとめ、長らく営業してきたその実績こそが、コロナ戦に立ち向かう上での「最大・最強の武器」ととらえる。

ウィズコロナの「新しい生活様式」に対応するため、料理や高級弁当の宅配サービスの充実化などにすでに乗り出している。一方、飲食店向けのコンサルタント業務という新たな領域にも手を広げる方針を打ち出す。「メニュー開発やスタッフ教育のノウハウ提供……。コンサル業務がうまく軌道に乗れば店のOBも呼び戻し、増員しないと」。コロナ禍と向き合いながら、三国シェフはじっとはしていない。

(堀威彦)

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