オンラインでメロン狩り? 産直アプリにない価値探す第7回 アイデア分析編(2)

オンラインメロン狩りは茨城県鉾田市のメロン農家で実施された(茨城県提供)
オンラインメロン狩りは茨城県鉾田市のメロン農家で実施された(茨城県提供)

この連載では、「プロが教えるアイデア練習帳」(日経文庫)の著者が、最近話題のアイデアを分析しながら、発想力を高めるヒントを見つけます。分析編2回目の今回は、農家の新しい販売方法に関するアイデアです。今回は、著者自身が実際に体験したアイデアの分析を通じて、農家以外のビジネスにも役にたつヒントを発掘していきます。

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ドライブスルーからアプリまで――広がる農家の販売方法

新型コロナウイルスの影響は、農家など1次産業の生産者にも及んでいます。多くの飲食店が営業自粛、給食も休止するなどした結果、行き場のない野菜や果物の販路に困る生産者が増えています。

飲食店や学校が元に戻りつつあるとはいえ、すぐに従来と同じ出荷になるかというと、そうではありません。そんな中、農作物を新しい方法で消費者に届けるための様々なアイデアが生まれています。

例えば、3密を避けられると、無人直売所での野菜や果物の販売が伸びているそうです。また、道の駅や市場などでは、地元のお米や野菜を箱につめて、ドライブスルー形式で販売するサービスが人気だそうです。

さらに、インターネットで野菜や果物を売る農家も増えています。メルカリなどのフリマアプリを利用したり、農業や漁業・畜産業に特化した産直アプリを使い始めたりする農家が、新型コロナを機に増加しています。

我が家でも、自粛期間に段ボール箱いっぱいのイチゴを産直アプリで買いました。そして、自宅で子どもたちと一緒にイチゴシェイクやイチゴあめを作るなどして楽しみました。私のように、自宅で料理をする家庭が増えたことも、産直アプリ人気の要因だと考えられます。

日本初、オンラインメロン狩り

このように、農家の販売方法が広がりを見せる中、私自身がつい最近体験したユニークなアイデアが、日本初の「オンラインメロン狩り」です。

オンラインメロン狩りの告知ページ(イベントは既に終了) https://online-melon-gari.peatix.com/

企画したのは、メロン生産量日本一を誇る茨城県。多くのメロン農家が集まる同県鉾田市では、恒例のメロン狩りバスツアーなどが中止になるなど、販売が伸び悩んでいました。

そこで、オンライン会議システム「Zoom」を使って、自宅にいながら好きなメロンを画面越しに選べるオンラインメロン狩りを企画。対象は小学生以下の子どもとその親でした。

偶然知った私はすぐに申し込みましたが、即日完売だったそうです。

メロン狩りの仕組みは、次のようなものでした。当日、10組ほどの親子が指定された時間に、同時にZoomに接続します。まず、メロン農家の方から、今日収穫するメロンについての説明を聞きます。参加者から質問をすることもできます。

子どもから「おいしいメロンはどうやって見分けるの?」という質問があれば、農家の方が「葉っぱが枯れているのが甘い証拠だよ」「網目がきれいな方が甘いんだよ」と丁寧に説明してくれます。

一通り解説を聞いた後に、あらかじめ農家の方が選び抜いたおすすめの20個の中から、自分が欲しい番号を指定します。最終的には、自分の選んだものを含めて2つ、最高級のメロンが自宅に届きます。費用は、送料込みで3000円でした。

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