NIKKEI STYLE Men’s Fashionは6月8日、日本経済新聞社東京本社(東京・千代田)で「夏の装い直前講座2020」を開いた。登壇者はファッションディレクターの森岡弘氏、MEN’S EX編集長の金森陽氏、モデレーターはMen‘s Fashion編集長の松本和佳が務めた。今回の講座は新型コロナウイルスの感染予防のため、受講者なしで実施。オンラインセミナーとして6月15日に配信を開始した。《視聴はこちらから》
今回は「ニューノーマルで装いが変わる! テレワークからクールビズまで」がテーマ。在宅勤務が増え、テレビ会議が一般化するなかで「ニューノーマル」の時代の装いはどう変化していくのか、どんなコーディネートやアイテムが適切なのかなどを、スライドで写真を映しながら森岡・金森両氏が解説した。
「ニューノーマル」の時代に変わる装い
在宅によるテレビ会議が定着してくると、ノーネクタイのカジュアルな装いが増えてくる。そのときに重要なってくるのが、「襟の存在感」と金森氏。


「ノーネクタイのシャツには、『イタリアンカラー』がお薦め。これはネクタイをしないことを前提に作られた襟。ジャケットの襟の下にふんわりと収まってエレガントに決まる」と話す。
森岡氏も「ボタンダウンシャツと同様、イタリアンカラーは襟が立ち、Vゾーンに立体感が出てくる。これを着ていると服のことがわかっている人に見える。今までのスーツスタイルは、ネクタイがあることが前提。ネクタイをしないなら、スーツやシャツも全部取り替えてほしいくらい」と持論を展開した。
ビジネスのスタイルが変われば、ファッションのスタイルも変わる。アイテムの見直しを考えるタイミングに来ているようだ。
今年の注目アイテムはセットアップ
金森氏が今年注目しているのは、セットアップ。「バリエーションも多く、伸縮性や吸湿性を持たせたり、洗濯機で洗えたりと、機能性に優れたものが出てきている。1週間フル稼働で着まわせるものもある」という。

セットアップとは、上下おそろいの服のこと。この日は森岡氏もジャージー素材のセットアップを着用。「一般的なスーツならオーダーが必要なケースでも、セットアップなら別々のサイズを選べる。例えば、体系やコーデに合わせて、ジャケットはLL、パンツはMという組み合わせもできる」と、セットアップに注目する理由を語る。
両氏がスライドを見ながら、コーディネートのやり方を説明したのが「トライアーノ」のセットアップ。登山にまで使えそうな伸縮性のある機能や織生地のような精巧なプリント技術など、スーツの進化を実感するものだった。
もう一つ、両氏が注目するのが、パンツの「ドローコード」。ウエストをひもで締めるタイプだ。金森氏は「はいたことのない人には、ぜひトライしてもらいたいアイテム。テレワークの時など、ひもを緩めてリラックスできるのもいい」といい、森岡氏も「きちんとして見えて快適。バリエーションが豊富でドレス度が高く見えるものも多い」と話す。


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