コロナ後の世界 技術とビジネスを手掛かりに大胆展望リブロ汐留シオサイト店

メインの平台の最上段に面陳列する(リブロ汐留シオサイト店)
メインの平台の最上段に面陳列する(リブロ汐留シオサイト店)

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測しているリブロ汐留シオサイト店だ。6月に入って客足は戻りつつあるが、まだビジネス書の売り上げを押し上げるところまでの回復とはいかない。そんな中、書店員が注目したのは、コロナ危機を経て世界の経済、社会がどのような変容を遂げ、どのような技術とビジネスが台頭するかを多面的に考察したムックだった。

世界は元通りにならない

その本は日経クロステック編『アフターコロナ 見えてきた7つのメガトレンド』(日経BP)。日経クロステックは技術者やビジネスリーダー向けの技術系デジタルメディアで、長年技術系雑誌で建設、製造、ITなどを取材してきた専門記者を抱える。その編集部が総力を挙げてアフターコロナの全容に迫ろうとした内容だ。表紙には「非対面経済の全貌」との言葉もある。

全体は5章構成。前半の2章はドキュメントとタイムラインで、ここまでのコロナ危機を追う。後半の3章が今後の展望で、第3章では自動車、電機、金融・フィンテックなど業界別にコロナ危機の影響を分析する。第4章は企業人や政治家、有識者らキーパーソン31人へのインタビュー。第5章は編集部による今後の経済社会・技術展望で、「7つのメガトレンド」として打ち出している。

まだそのただ中にあるコロナ危機が収束するとして、そのとき世界は元通りになるのだろうか。それは「否」というのがこのムックに一貫した基調だ。第4章のインタビューに登場するキーパーソンたちの言葉からもそのことが読み取れる。「感染につながらない旅の在り方を確立する」(星野リゾートの星野佳路代表)。「これから先生は『Coach=伴走する人』になっていくと思います」(オンライン学習アプリ「スタディサプリ」を立ち上げた山口文洋リクルート執行役員)。「政府による監視社会を避けながら、ほとんどの人が合意できるデータガバナンスを決められるはず」(村井純慶応義塾大学教授)……。多様なコロナ後への視点がアフターコロナのビジネスを考えるヒントになる。

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