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住まい選びも3密回避 幻想の演出に制限、VRで見学

コロナの先の家計シナリオ 住宅ジャーナリスト 榊淳司

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NIKKEI STYLE

新型コロナウイルスで、いわゆる「3密」を避ける行動が求められるなか、住まいを買ったり借りたりする一連の風景も大きく変わりそうです。住宅ジャーナリストの榊淳司さんは「モデルルームなどの『にぎわい演出』が制限され、客からすれば物件の本来の姿を見つめやすくなる」と予想します。

◇ ◇ ◇

コロナ以前、「人と会う」行為は肯定的に捉えられることが多かったのではないでしょうか。新人の営業マンに「1日に名刺〇〇枚をもらってこい」などとノルマを課し、街に送り出していた時代もありました。対人接触を絶対的に「よし」とする発想です。

初めて電話でコンタクトしたビジネスの相手に「一度ごあいさつに伺いたいと存じますが……」と面会を求めるのは、当たり前の手続きでした。しかし、コロナ以後は「むやみに面談を求めてはいけない」というのがビジネスのマナーになりそうです。

これは不動産仲介の世界にも少なからぬ変化をもたらしそうです。

客に何十件も物件を案内、業者はやめたい

例えば、中古マンションを買いたい客に対し、希望する条件に合った物件を営業マンが何件も案内するのが普通でした。しかし、客によっては何十件も案内したのに購入を決めてくれないこともあります。それでも、仲介業者は客に一切の料金を請求できません。

客によっては、半ばそれを楽しんでいる場合さえあります。本当は買う意欲はさほど強くないのだけれども、購入を決めないうちは営業マンが丁寧に接客してくれます。だからその状態を続けたいがために、ダラダラと決めないでいる客もいるのです。

コロナ後は仲介業者としても、「決めてくれるまで何件でも案内する」という接客スタイルはなるべく避けたいでしょう。

部屋の様子など、VRでほぼ理解

そこでまず考えられるのは、動画の積極的な活用です。

売りに出した物件の周辺の環境や室内の様子などを10分程度の動画にまとめ、客に見せます。客はいくつか見たなかから気に入った1~2物件のみを実際に見に行きます。これなら購入の「決定率」が格段に高くなりそうです。これで、客も業者も互いに「濃厚接触」をかなり避けることができます。

さらに室内の様子をVR(仮想現実)で「見学」できるようにすれば、客は住戸のなかに入らずとも、おおよそのところはほぼ映像で理解できるはずです。

例えば、客が見ている映像を仲介業者の担当者のパソコンに同時配信するようなシステムなら、実際に現場で客を案内しているのに近い状況をつくり出せます。

客「バスルームは新しそうですが、リフォームしたのですか?」 

業者「はい。1年前にリフォームなさって、それ以後はほとんどお使いになっていなかったそうです」

こういった会話もスムーズに交わすことができるでしょう。

リモートで契約完結、感染リスクを軽減

現在、賃貸契約の場合は仲介業者が契約の場に実際に居合わせなくても、リモートで契約を完結させることができるのです。今後、法制度が改定されれば、中古住宅の売買などの契約もすべてリモートでできる時代が来るでしょう。

これは仲介業者の案内業務の負担を軽くするだけでなく、客側の「感染リスク」を軽減することでもあるのです。双方にメリットがあることなので、法改正もスムーズに進むように思います。

新築マンションの販売現場の光景も大きく変わるはずです。

今までは「にぎわい演出」という販売手法がベースにありました。「ほかにも多くの人が買っている」ことが安心材料になり、結果的に購入を決断するケースが多くみられたからです。このため、多くの人を1カ所に集めるイベントを開き、人のにぎわいを積極的に演出する販売手法が採られてきました。

一例を挙げれば「計画説明会」「事前登録案内会」「新モデルルーム発表会」、さらには「抽選」などもイベントとして多くの人を集めて実施していたのです。

モデルルームは「幻想」 演出にも制限

しかし、コロナ後は不用意に多くの人を集めることは慎まなければならないはずです。モデルルームを案内するにしても、これまでのように一度に何組もの客を中に入れて同時に案内するようなことは避けるでしょう。

さらにいえば、モデルルームの販売センター内で小さな子どもたちを遊ばせておくキッズコーナーも、これまでのように無条件で何組ものお子さんを預かることはできなくなると思います。こういった制限は、新築マンションの販売手法を大きく変えるはずです。それはある意味、販売側にとってかなりやりにくくなるはずです。

新築マンションのモデルルームは、そもそもが現実とはかけ離れたコーディネートで装飾されているイリュージョンです。これを客に見せることで幻想に包み込んで気持ちを舞い上がらせ、その勢いで契約に持ち込む、というのが従来の営業パターンでした。

コロナ後も、このイリュージョン自体は使えるのですが、「ほかの人も買っている」という演出はかなり制限されるでしょう。客側からすれば、それぞれのマンションの本来の姿を見つめやすくなったのかもしれません。

不合理な商慣習、改める好機に

テレワークが普及したことで、多方面のビジネスで空間や時間の活用法が半ば強制的に合理化されました。オフィスの床面積縮小や通勤時間の圧縮などです。

住まいの売買においても「人と会うことのリスク」を軽減するというモチベーションが、図らずも不合理な商慣習を改める好機になるのかもしれません。

榊淳司
住宅ジャーナリスト。榊マンション市場研究所を主宰。新築マンションの広告を企画・制作する会社を創業・経営した後、2009年から住宅関係のジャーナリズム活動を開始。最新の著書は「限界のタワーマンション(集英社新書)」。新聞・雑誌、ネットメディアへ執筆する傍らテレビ・ラジオへの出演も多数。

緊急事態宣言が解除され、「ニューノーマル」「新常態」とも呼ばれる新しい生活様式が広がりつつあります。コロナで一変した家計の収入や支出、それに伴うお金のやりくりをどうすればよいかも喫緊の課題です。連載「コロナの先の家計シナリオ」は専門家がコロナ後のお金にまつわる動向を先読みし、ヒントを与えます。

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※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。

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