初心者がマラソン挑戦 血管年齢、練習で若返り

日経Gooday

初めてロンドンマラソンに挑戦し、完走できた138人のタイムの平均は、女性が5.4時間、男性は4.5時間でした。

トレーニング前に測定した大動脈の伸展性の評価では、年齢が高い人ほど動脈壁が硬くなっていることが示されていました。

トレーニングとマラソン完走は、血圧の低下に関係していました。トレーニング開始前に比べて、マラソン完走後は、上腕部の血圧の上の値(収縮期血圧)が4mmHg、下の値(拡張期血圧)は3mmHg低下しており、中心血圧も同様に、それぞれ4mmHgと3mmHg低下していました。心拍数には変化は見られませんでした。

大動脈の伸展性は、下行大動脈において改善していました。測定値に基づいて大動脈年齢を推定したところ、下行大動脈の上の方では3.9歳、横隔膜近くでは4.0歳若返っていました。

著者らはさらに、参加者を、年齢の中央値である37歳より上のグループと、37歳以下のグループに分けて検討しました。その結果、トレーニングとマラソン完走が血圧と血管にもたらす利益は、37歳超のグループの方が大きいことが分かりました。37歳以下のグループでは、血圧は低下したものの、大動脈年齢の若返りは有意になりませんでした。

また、完走者の平均タイム(2016年と2017年の全完走者の平均タイム)より速かったグループと遅かったグループに分けて比較したところ、平均よりもタイムが遅かったグループの方が血管年齢若返り効果が大きいことが明らかになりました。性別では女性より男性の方が、トレーニング開始前の血圧は低かった人より高かった人の方が、より大きな血管年齢若返り効果を得ていたことも分かりました。

論文は、Journal of the American College of Cardiology誌2020年1月7/14日号に掲載されています[注2]

[注2]Bhuva AN, et al. J Am Coll Cardiol. 2020 Jan 7;75(1):60-71.

[日経Gooday2020年4月30日付記事を再構成]

大西淳子
医学ジャーナリスト。筑波大学(第二学群・生物学類・医生物学専攻)卒、同大学大学院博士課程(生物科学研究科・生物物理化学専攻)修了。理学博士。公益財団法人エイズ予防財団のリサーチ・レジデントを経てフリーライター、現在に至る。研究者や医療従事者向けの専門的な記事から、科学や健康に関する一般向けの読み物まで、幅広く執筆。

医療・健康に関する確かな情報をお届けする有料会員制WEBマガジン!

『日経Gooday』(日本経済新聞社、日経BP社)は、医療・健康に関する確かな情報を「WEBマガジン」でお届けするほか、電話1本で体の不安にお答えする「電話相談24」や信頼できる名医・専門家をご紹介するサービス「ベストドクターズ(R)」も提供。無料でお読みいただける記事やコラムもたくさんご用意しております!ぜひ、お気軽にサイトにお越しください。


ウェルエイジング 健康で豊かな人生のヒント
注目記事
ウェルエイジング 健康で豊かな人生のヒント