コルム 「アドミラル レジェンド 42」
「アドミラル」といえば、伝説的な外洋航海ヨットレースとコルムとの深い絆を象徴する伝統のスポーツウォッチコレクション。ヨットのナットを模した12角形ベゼルや、国際海洋信号旗を配したカラフルなインデックスを特徴とするが、19年はそれをオールブラック仕様にアレンジし、ぐっと端正かつモダンに仕上げた限定モデルを投入。
ご覧のモデルはその2020年バージョンであり、白色だった針とインデックスを鮮やかな蛍光色(ブルーのほかレッド、イエローがあり、さらに完全予約販売でグリーン、オレンジも用意)とした。クールさの中にもほのかにポップなニュアンスが漂い、カジュアルはもちろん、軽快なセットアップスーツにTシャツを合わせるようなスタイルにもぴったりハマりそうだ。
ウブロ 「ビッグ・バン GMT オールブラック ヨウジヤマモト」
ウブロはオールブラックのブームを加速させた張本人。“インジブル・ビジリティ(見えない可視性)”をコンセプトに2006年からオールブラックのコレクションを展開し、エッジの効いた個性派時計を求める人に熱く支持されている。
「ウブロ ブティック銀座」のオープンを記念したご覧のモデルでは、同じく“黒の衝撃”でファッション界に革命を起こしたデザイナー山本耀司氏とコラボレーションを敢行。マイクロブラスト加工のブラックセラミックケース、ブラックの針、さらにスモーク加工のサファイアクリスタル風防と、徹底的に墨色でミニマルにまとめあげつつ、オープンワークでのぞかせたメカニズムはかなり複雑で機能的というのが面白い。
搭載するのは、自社製クロノグラフにGMT機構をぶち込んだ「ウニコHUB1251」。先端が矢印型のGMT針は、プッシュボタンを押すだけでひとつのタイムゾーンからもうひとつのタイムゾーンへと簡単にセットできる。視認性抜群とはお世辞にも言えないが、かえってそこにウブロ×ヨウジ ヤマモトらしい前衛センスを感じる人も多そうだ。
機構と装飾に技アリなオールブラック
オールブラックというだけで周囲に差がつくが、よりマニアックでコレクション価値の高いモデルが欲しい人もいるだろう。そこで以下ではメカニズムや装飾面において他を圧倒する技を見せつけた新作を4本紹介した。いずれも超のつく高級モデルだが、クールなブラックのおかげで過度にギラついた感じにならないのがいいところ。予算が許されるのならぜひ狙ってみてほしい。
H.モーザー 「エンデバー・トゥールビヨン コンセプト ベンタブラックR ブラックハンズ」
ブラックホールのような漆黒空間に幻想的に浮かぶフライングトゥールビヨン……。H.モーザーの新作ほどミステリアスなオールブラック時計はないだろう。この独特の雰囲気は、インデックスとロゴを割愛し、針も黒色とした思い切りもさることながら、なにより文字盤の黒がこの上なく“濃い”からだ。これは天体物理学や航空宇宙分野で使用されるベンタブラックRと呼ばれる特殊な物質をコーティングしたたまもの。
ベンタブラックは人間の髪の毛の1万分の1と極めて細かいカーボンナノチューブで構成される物質で、なんと光の99.965%を吸収してしまうそう。モード系のファッションを好む人、あるいはタキシードなどのブラックフォーマルを粋に演出したい人にもおすすめしたいモデルだ。

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