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イヌがコロナに米国で初感染 うちの…心配はすべき?

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ナショナルジオグラフィック日本版

米ニューヨーク市のジャーマン・シェパードが、新型コロナウイルスの検査で陽性だと判明した。米農務省が2020年6月2日に発表したところによれば、米国内でイヌが同ウイルスに感染したと正式に確認された事例は初めてだ。

このイヌは同じく新型コロナウイルスの検査で陽性だった飼い主から感染したと考えられており、完治する見込みだ。現在のところ、ペットから人間にウイルスが広まるという証拠はない。

「ペットを飼っている人が新型コロナウイルス感染症にかかった場合、ペットをはじめとする動物に感染を拡大させないため、接触を避けることが重要だと改めて示されたと言えます」と話すのは、米疾病対策センター(CDC)のスポークスパーソン、ケイト・グルシチ氏だ。

飼い主の陽性が判明した後、このシェパードには呼吸器系の症状が見られていた。最初は民間の獣医研究所が検査を行い、陽性との結果が出た。その後、農務省管轄の国立獣医研究所でさらに検査が行われ、やはり陽性との結果が得られた。これは、動物における新型コロナウイルス感染の事実を公的に確定させる標準的な手順だ。

米農務省によれば、同じ家で飼われている別のイヌは陰性だったものの、体内に抗体があったため、以前に感染していた可能性があると言う。

これで、米国内で陽性となった動物はトラが5頭、ライオンが3頭、飼いネコが3匹、そして今回のイヌが1匹だ。ニューヨーク市ブロンクス動物園の大型ネコ科動物と同じくニューヨークの2匹の飼いネコは、4月に陽性が確認された(グルシチ氏によれば、いずれも回復した)。3匹目のネコはミネソタ州で飼われており、6月の第1週に米農務省が陽性を確認した。

こうした事例はあるものの、米獣医師会によればペットへの感染リスクは低く、これまで新型コロナウイルスの検査で陽性とされたペットは、世界で20匹未満にすぎない。4月にはメーン州の研究所が米国および韓国のイヌ・ネコのサンプルを何千と検査したものの、陽性の結果が出たものは1件もなかった。

4月下旬の発表は誤りだった

4月下旬、米デューク大学の研究者たちが、飼い主らが新型コロナウイルス検査で陽性とされた後、ウィンストンという名のパグ犬の唾液から同ウイルスを発見したと発表した。この話はインターネット上などで広く拡散したものの、その後、米農務省による検査で感染はしていなかったことが判明した。

「ウィンストンはウイルスが付着した人あるいは物を舐めた可能性があり、それで唾液が陽性と判定されたのかもしれません。ですが、血流や呼吸器の中にウイルスが入り込んで感染していたわけではありません。イヌの口の中にウイルスがいるとしても、感染しているかどうかは、また別の問題です」と、米獣医師会会長のジョン・ハウ氏はニューヨーク・タイムズ紙に語っている。

デューク大学の研究チームが陽性の結果を発表したのは米農務省が再検査を行って確認する前だった。この発表はメディアによる報道やソーシャルメディアを通じて大きく広がり、米国で初めてイヌが感染との見出しが各所に踊った。

対して、ブロンクス動物園は米農務省が確認するまでトラの陽性結果を発表しなかった。公的に確認される前に動物の陽性結果を発表することは、メディアにとっても一般市民にとっても混乱の元だということかもしれない。

「ここから学ぶべきは、ニュースは科学ではない、ということです」と話すのは、フィラデルフィア市ペンシルベニア大学獣医学部臨床微生物学分野のトップ、シェリー・ランキン氏だ。同氏はウィンストンの検査には関わっていない。「研究者は調査結果を公表する前に、農務省による検査を経るべきです」と言う。特に、ウィンストンの事例のように、陽性結果が「獣医学検査施設におけるものではなく、研究のための調査によるものであった場合には」

ナショナル ジオグラフィックは、デューク大学の研究関係者にこの件についてコメントを求めたが、米国における本記事の掲載時までに回答はなかった。

それでも…うちのイヌを心配すべき?

新型コロナウイルスに感染したペットの多くは罹患した人との接触後に感染が確認されているため、ヒトが一定の状況において動物にウイルスを広げるということはあり得そうだ。

ジャーマン・シェパードが新型コロナウイルスに感染したという事実が公的に確認されたものの、専門家による指針はこれまでと変わらない。

CDCによれば、もしもあなたが新型コロナウイルスに感染したら、あるいはそうした症状を感じたなら、ペットともソーシャルディスタンス(社会的距離)を取るべきだ。

米獣医師会は、新型コロナウイルスに感染している場合、ペットの餌やりの前にマスクを着用し手を洗うことを推奨している。さらに、もし可能なら、病気の間は家庭内の他の人にペットの世話をしてもらうのがいいと言う。新型コロナウイルス感染症患者がいる家からペットを避難させる必要はないとのことだ。

米獣医師会もCDCも、症状が表れていないペットの検査をすることは推奨していない。もしもペットに症状が表れているようなら、獣医師に連絡するとよい(編注:日本獣医師会もかかりつけの獣医に電話相談のうえ、獣医師の指示に従い動物病院で診察を受けるようすすめています)。

ペットから飼い主に感染する?

可能性は非常に低い。「新型コロナウイルスについては未だにわからないことが多いですが、現在までに得られている情報からは、新型コロナウイルスが動物からヒトに感染する可能性は低いと考えられています」と、CDCのグルシチ氏は言う。

たとえば、ネコ同士で新型コロナウイルスが感染するかを調べた実験では、感染するとの予備的な結果が出ている。しかし今のところ、ペットからうつって人間の間で感染が広まることを示唆するような証拠はない。

オランダ当局は、国内の少なくとも2つの農場でミンクからヒトへ新型コロナウイルスが広まった可能性が高いと発表した。当局は、念のため、新型コロナウイルスが発見された9つの毛皮農場で飼育されている数千頭のミンクを全て殺処分することを発表した。オランダの法律においては、ミンクの殺処分には一酸化炭素を使用しなければならない。

しかし、ペットの飼い主が心配する必要はほとんどない。専門家によると、新型コロナウイルス感染症の感染者数が世界でおよそ700万人、うち米国で190万人となっている現在、もしもペットが重要な媒介動物だとするなら、すでに判明しているはずだという。

引き続き、自らの安全とペットの安全を守って、パニックに陥らないように心がけよう。

(文 Natasha Daly、訳 桜木敬子、日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック ニュース 2020年6月8日付

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