日経ナショナル ジオグラフィック社

2020/6/29

ジャーマン・シェパードが新型コロナウイルスに感染したという事実が公的に確認されたものの、専門家による指針はこれまでと変わらない。

CDCによれば、もしもあなたが新型コロナウイルスに感染したら、あるいはそうした症状を感じたなら、ペットともソーシャルディスタンス(社会的距離)を取るべきだ。

米獣医師会は、新型コロナウイルスに感染している場合、ペットの餌やりの前にマスクを着用し手を洗うことを推奨している。さらに、もし可能なら、病気の間は家庭内の他の人にペットの世話をしてもらうのがいいと言う。新型コロナウイルス感染症患者がいる家からペットを避難させる必要はないとのことだ。

米獣医師会もCDCも、症状が表れていないペットの検査をすることは推奨していない。もしもペットに症状が表れているようなら、獣医師に連絡するとよい(編注:日本獣医師会もかかりつけの獣医に電話相談のうえ、獣医師の指示に従い動物病院で診察を受けるようすすめています)。

ペットから飼い主に感染する?

可能性は非常に低い。「新型コロナウイルスについては未だにわからないことが多いですが、現在までに得られている情報からは、新型コロナウイルスが動物からヒトに感染する可能性は低いと考えられています」と、CDCのグルシチ氏は言う。

たとえば、ネコ同士で新型コロナウイルスが感染するかを調べた実験では、感染するとの予備的な結果が出ている。しかし今のところ、ペットからうつって人間の間で感染が広まることを示唆するような証拠はない。

オランダ当局は、国内の少なくとも2つの農場でミンクからヒトへ新型コロナウイルスが広まった可能性が高いと発表した。当局は、念のため、新型コロナウイルスが発見された9つの毛皮農場で飼育されている数千頭のミンクを全て殺処分することを発表した。オランダの法律においては、ミンクの殺処分には一酸化炭素を使用しなければならない。

しかし、ペットの飼い主が心配する必要はほとんどない。専門家によると、新型コロナウイルス感染症の感染者数が世界でおよそ700万人、うち米国で190万人となっている現在、もしもペットが重要な媒介動物だとするなら、すでに判明しているはずだという。

引き続き、自らの安全とペットの安全を守って、パニックに陥らないように心がけよう。

(文 Natasha Daly、訳 桜木敬子、日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック ニュース 2020年6月8日付