コロナで休業の妊婦支援 収入減や検査費を国が助成人生100年時代のキャリアとワークスタイル

2020/6/15
新型コロナで仕事を休む妊婦を助成金などで支援する動きも(写真はイメージ=PIXTA)
新型コロナで仕事を休む妊婦を助成金などで支援する動きも(写真はイメージ=PIXTA)

新型コロナウイルス感染症への不安を抱える方は、いまだに少なくありません。緊急事態宣言の解除後、以前と同じような通勤ラッシュの光景が見られるようになりましたが、妊娠中の女性にとっては、大変な不安を抱えているのではないでしょうか。

そこで、厚生労働省は、新型コロナウイルスへの不安から仕事を休む妊婦を抱える企業に対し、助成金を創設することを発表。また、これ以外にも様々な妊産婦への支援が打ち出されています。どのような内容か詳しくみていきましょう。

コロナ対応が追加された母性健康管理措置

男女雇用機会均等法において、以前から母性健康管理上の措置が設けられているのをご存じでしょうか。妊娠中や出産後1年以内の女性労働者(総称して「妊産婦」といいます)が保健指導・健康診査の際に主治医や助産師から指導を受け、事業主に申し出た場合、その指導事項を守るために必要な措置を講じる義務があります。

2020年5月7日、新型コロナウイルス感染症が拡大している状況などを踏まえ、妊娠中の女性労働者の母性健康管理を適切に図ることができるよう、男女雇用機会均等法に基づく指針(告示)が改正されました。

この改正により、妊娠中の女性労働者の母性健康管理上の措置に、新型コロナウイルス感染症に関する措置が新たに規定されたのです。

健康診査などを受けた結果、仕事における新型コロナウイルスへの感染のおそれに関する心理的なストレスが母体や胎児の健康保持に影響があるとして、主治医や助産師から指導を受け、それを事業主に申し出た場合、事業主はこの指導に基づいて必要な措置を講じなければなりません。この措置の対象期間は、2020年5月7日から2021年1月31日まで。

たとえば、「感染のおそれが低い作業への転換又は出勤の制限」という指導を受けた場合は、顧客との対面で接触する機会が多い作業から機会の少ない事務作業などに転換したり、在宅勤務に切り替えたり、休業をさせたりするといった措置が考えられます。なお、この心理的なストレスには、通勤や作業環境も含まれます。

会社へ主治医などからの指導をうまく伝えるには?

ところで、女性従業員から医師や助産師からの指導をどのように会社へ伝えればよいでしょうか。口頭で「助産師から休んだ方がいいと言われました」と人事担当者に伝えても、会社として具体的な措置を決めるのはなかなか難しいものです。

そこで、活用したいのが、「母性健康管理指導事項連絡カード」(略して「母健連絡カード」)です。カードの作成方法と使い方は以下のとおりです。

(1)妊娠中の女性労働者が母子保健法の保健指導や健康診査を受ける。
(2)健康診査などを行う医師または助産師に必要な指導事項を記載してもらう。
(3)妊娠中の女性労働者が母健連絡カードを事業主に提出して、措置を申し出る。
(4)事業主が母健連絡カードの指導事項に基づき、必要な措置を講じる。

こうした必要な措置は、女性労働者からの申し出があった場合に講じることとされているため、女性労働者が心理的なストレスなどが緩和されて申し出を取り下げたい場合は取り下げることも可能です。

最近では、電話やオンラインで保健指導が実施されている場合もあります。オンラインで主治医から指導を受けた場合は、母健連絡カードの郵送などに対応しているか、また費用については医療機関によって異なりますので、事前に確認しておくとよいでしょう。

母健連絡カードの提示がなくても、事業主は適切な措置をとることが必要です。この場合、事業主に対して医師などからの指導事項の内容や妊娠週数、出産予定日などを書面により申し出ることが望ましいと言えます。

注目記事
次のページ
創設される妊婦休業への助成金とは
今こそ始める学び特集