水道工事を手掛けるオアシスライフスタイルグループが開発したスーツブランド、「ワークウェアスーツ」が人気を集めている。コンセプトは「スーツに見える作業着」で、軽く、丸洗いでき、動きやすいといった作業着のノウハウを取り込んだ。2018年4月にオンライン販売をスタートしたところ、高機能とシンプルなデザインが評価され、オフィス需要を取り込もうと百貨店やセレクトショップからも引き合いがある。
今年は初の単独出店となる期間限定のポップアップショップをNEWoMan新宿で展開中だ。主力の「ワークウェアスーツ」のほか、オンでもオフでも合わせられるおしゃれなデザインのライン「YZO(ワイゾー)」のジャケット、シャツ、パンツをそろえる。そのほかアクティブな女性をターゲットにした4月発売の「スウィングシリーズ」のジャケットやワンピースもお披露目された。




7月以降もほかのエリアでのポップアップショップを計画しており、2021年には常設店や海外の出店も視野に入れている。
毎日洗えてアイロン要らずのタフな「作業着系スーツ」
もともと「作業もできて、接客もできる」ものはないかと、オアシスライフスタイルグループの自社ユニフォームの企画から発展した。国内の生地メーカーと2年かけて共同開発した汚れに強く、ストレッチ性があり、しわになりにくい「Ultimex(アルティメックス)」を採用する。さらに耐久性や速乾性まで追求した新素材。「毎日洗っても2年以上も形崩れしにくい」(同社)タフな生地と仕立てが最大の特徴だ。

これからの暑い夏には重宝しそう。裏地なしの定番ジャケットは、通常のジャケットの半分程度の軽さ(約300グラム)に抑えられ、手に持ってもカバンに押し込んでもしわや折り目がつきにくい。汗をかいても洗濯機で丸洗いでき、干しておけば3時間ほどで乾くので、毎日洗うことができる。
新型コロナの感染予防策としても、「帰宅したとき、手洗いうがいだけでなく、仕事着も洗いたかった」(ECサイトのコメント)というニーズにも応えられる商品だ。また、生地が柔らかく、軽いのでリラックスできるため、ステイホーム時の在宅ウエアとしても売り込んでいる。
自社ユニフォームから始まった作業着スーツは、それを見た取引先からの要請で外販が始まり、個人でも購入したいという声からECサイト、店舗販売と販路が広がってきた。ECサイトには、「オフィス着に快適性と機能性を求めて購入している」(同社)という声も寄せられ、同社では、販路やラインアップ強化に力を入れている。
6月からはANAやセレクトショップの417EDIFICEとコラボ制作した「<ANAオリジナル>WWS×417EDIFICE for ANAセットアップスーツ」をANAや417EDIFICEのオンラインサイトでも順次販売を始めている。パスポートの入る内側ポケットや眼鏡ふき、収納ポーチを付けるなど、旅行や出張に役立つ機能を盛り込んだ商品に仕上げている。
2019年度の売り上げが約3億円、2020年度は10億円を見込んでいる。今年3-5月の売り上げも前年同期比で3.3倍に伸びており、その機能性が評価され、暑さやコロナにも負けない売れ行きを見せている。


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