ヨガウエア→街着へ ルルレモンが見すえる「コロナ後」

2020/6/12
ルルレモンは大小さまざまなヨガイベントを通じてブランド認知を高めてきた(2019年、東京都港区の六本木ヒルズで行ったイベント)
ルルレモンは大小さまざまなヨガイベントを通じてブランド認知を高めてきた(2019年、東京都港区の六本木ヒルズで行ったイベント)

新型コロナ感染拡大危機が世界のアパレル市場にもたらした影響は一様ではない。在宅勤務の定着はカジュアルで快適な仕事の装いを主流に押し上げた。一方、外出制限に伴い、家の中でヨガやストレッチをたしなむ人のウエア需要も膨らんでいる。この2つの時流にのって快進撃を続けるのが、1998年にカナダで創業したヨガウエアのブランド、ルルレモンだ。スポーツウエアを街着に取り入れる「アスレジャー」の先駆的存在で6月10日、都内に大型旗艦店を開業した。アジア太平洋地域を担当するシニアバイスプレジデントのケン・リー氏は、口コミと体験イベントを生かしたブランド戦略が成功していると語る。




六本木に旗艦店 男性向けも充実

「草の根でコミュニティー形成を大事にしてきた」と話すルルレモンのシニアバイスプレジデント、ケン・リー氏

――六本木にオープンした旗艦店はアジア最大規模で、2階にはスタジオスペースがあります。

「商品はヨガやランニングからオフィス、トラベルなどの街着アイテムまでフルラインそろえ、男性物を充実させています。2階に設けたスペース『The Sweatlife HUB』はイベントやワークショップの活動拠点です。ヨガや瞑想(めいそう)をしたり、環境問題について語り合ったり。コロナの影響もあり、体と心のケアをする多目的な場所がほしいな、と思っていました」

――店のスタッフがお客と一緒に活動することを重視していますね。

「ルルレモンはコトを通じて体験してもらうブランドです。店ではランニングやヨガ教室を通じてお客さまに製品のよさを知ってもらう。コミュニティーリテールと呼ぶのですが、店は販売の場ではなく人が集う場。どういった活動にどんなアイテムが適しているのかを伝えるのが店の役割なのです」

「大事にしている3つの軸は『スエット』(体を動かす)、『コネクト』(つながる)、『グロー』(マインドフルネスなどで、ともに育つ)。ヨガ講師やアスリートら世界で2000人ほどいるブランドアンバサダーも力を貸してくれます。マーケティング費用を投じてブランド認知を高めるのではなく、口コミ力で成長してきたんです」

コロナによる外出自粛を受けて自宅でもヨガ、ピラティス、瞑想(めいそう)ができるようライブストリーミングをはじめた

――ルルレモンの19年の売り上げは前年比21%増の40億ドルとなりました。株価も1年で2倍に。いまは世界に約500店を展開しています。支持されている理由は。

「垣根を外していることです。性別も世代も地域も超えて『スエット』でつながることが受け入れられています。販路でもイベントでもリアルとデジタルの境界をなくしてきました。あとは商品の質の高さです。もともと創始者のチップ・ウィルソンは『日本で売れなければ世界で通用しない』と考え、日本での利用者の声を製品づくりに生かしてきました。3Dパターンやカット、最先端の素材を使い、着心地や感覚的な心地よさを追求しています」

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