2020/6/12

――新型コロナは人々の価値観にどんな影響を与えるでしょうか。

「デジタル化によって、社会生活がどんどん早くというスピード重視になりましたが、それがある程度リセットされるでしょう。心がケアされてはじめて、体がケアされるということに気付くはずで、私たちのポジショニングがうまく伝わるかなとも思います」

「ちょっと自分の心を意識してみる。そんなマインドフルネスはもともと、日本人が得意としてきたはずです。そしてこれからは多くの人がスポーツだけでなく、幸福+健康みたいなところに気をつけるようになるでしょう。このほどコロナ危機に日々、立ち向かっている医療従事者向けに、心をケアするための瞑想のアプリを開発しました、日本でも公開しています」

「在宅」需要の高まり、通販に反映

「コロナによるロックダウンで店を閉め、一時的には影響がでましたが、回復力も強く、株価はコロナ危機が起こる前に比べて20%上昇しました。私はアジアの10の国と地域を担当していますが、ヨガワーク、テレワーク、家で体を動かす人が増えたことにより、Eコマースが絶対的な強さを発揮しました。ヨガマットやウエアのほか、着心地がよい服などが売れて、売り上げは驚異的な回復を見せました」

機能とファッション性を重視する(大阪市のルルレモン ルクア大阪)

――健康な体という視点からも、フィジカルを鍛えようというムーブメントが起こっています。

「体を動かすことへの意識の高まりは、デジタルで開催しているヨガ教室でコミュニティーが急速に広がっていることからも裏付けられます。うちは草の根で人気が広がってきたブランドです。体験した人が、あそこは面白いよ、こんなつながりがあって、隣に座っている人がこんなことをやっていて、と誰かに話すことで、興味を持つ人が増えることを大事にしています」

「ユニークなエピソードはたくさんあります。会社では、役員同士で中期経営計画の会議をしているとき、途中で着替えて、みなでばーっと走りにいって、会議を再開することもあります。私も最高経営責任者(CEO)のカルヴィン・マクドナルドとトライアスロンに出たり、日本法人であるルルレモンアスレティカジャパン社長のステュワート・テューダーはトレイルランをやったり。面接の合間にまだ入社していないのに一緒にランニングをしたり――。アスリートでなければ入社できないわけではありませんよ(笑い)。社長であろうが、前の日に入ったスタッフであろうが、一緒に集まって、一緒に体を動かして、一緒に呼吸して、つながる。これが会社の面白さでもあるんです」

(聞き手はMen's Fashion編集長 松本和佳)

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