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今年の夏は泳げるの? コロナ禍、米国でシーズン到来

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NIKKEI STYLE

ナショナルジオグラフィック日本版

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の第1波が鎮静化する中、さまざまなスポーツの楽しみ方に制限がつけられそうだ。今年は泳げるのか? と気になる人もいるだろう。米国各地では、どのような対策がとられているのか、現状を見てみよう。

米国では、感染症対策に関して遊泳施設に適用される全国共通のルールがないため、プールや湖畔、ビーチでの対策は、州や自治体によって様々だ。夏をすぐ目の前にして、多くの州がプールや海開きを許可し始めているが、独自に閉鎖続行を決めている地域もある。許可された地域でも、新型コロナウイルスの感染を防ぐために、施設運営者は厳しい対応を迫られる。

海水浴客でひしめくビーチの写真が批判を浴び、2020年3月にビーチの閉鎖を決めたフロリダ州では、5月下旬に再開を宣言したものの、一部の郡ではまだ閉鎖されたままだ。テキサス州もプール開きを認めると発表したのに、フォートワースなど一部の町は時期尚早であるとしている。

ニューヨーク市では、早くても5月末まではビーチでの遊泳を禁止すると、ビル・デ・ブラシオ市長が発表した。監視員は置かれず、違反者を取り締まるためにニューヨーク市警と公園の管理官がビーチをパトロールする。

サウスカロライナ州では、州内全域でプールが開放されたが、利用者は社会的距離を取り、施設は頻繁に消毒するよう義務付けられる。州のガイドラインを基に、それぞれの自治体は独自のルールを定めている。

20年3月に公共のプールが閉鎖されたアラスカ州では、アンカレッジのスイミングチームで指導するクリフ・マーリー氏が、練習の再開を認めてもらうために奇抜なアイディアを思いついた。ボランティアたちと協力して、プールのコースとコースの間に透明のプラスチック板の仕切りを設置したのだ。マスクをして出かけたDIY(日曜大工)ストアのレジで、プラスチック板の向こう側の店員がマスクをしないで応対していたのを見て思いついたという。マーリー氏のチームには、町から練習再開の許可が下りた。

練習初日を終えたマーリー氏に使い心地を聞くと「まあまあ」だという。今のところ、プールを使用できるのはマーリー氏が指導するノーザン・ライト・スイム・チームだけで、一般の利用客には開放されていない。

ただ問題はプールの水ではない。新型コロナウイルスは完全に解明されていないものの、プールに含まれている標準濃度の塩素やその他の消毒剤で死滅することはわかっている。これは、ポリオウイルスなど既に存在が知られ、よく研究されているウイルスと同様だ。

一方で、湖や海は、ウイルスが希釈されて、感染力が失われそうなイメージがある。ノースカロライナ大学の疫学者デビッド・ウェバー氏は、下水道や処理済みの廃水の中で動物コロナウイルスがどこまで生存できるかを研究したことがあるが、塩水でウイルスがどうなるかに着目した研究は「見たことがない」と言う。だが、海や湖で泳ぐだけなら、「感染することはないだろう」と話す。「それよりも、マスクなしでビーチや湖畔に座って人と交流したり、カクテルを楽しんだりすることが心配です。そちらの方が、危険度ははるかに高いです」

つまり、水泳による感染リスクを減らすためには、詰まるところ人と人との距離を取るほかないようだ。世間から遠く離れてひとり波の上で瞑想する分には問題ないが、それにしてもエアロゾルや飛沫が飛び交う人混みのビーチをくぐり抜けなければならないだろう。

水泳に関係するビジネスにも影響は必至だ。カリフォルニア州で水泳指導員や監視員を派遣する会社を経営するダン・ベルザンスキー氏は、夏を前にして難しい判断を迫られている。

「生徒ひとりにつき、指導員をひとりに限定します。指導員には、マスクの着用が義務付けられます」。監視員の水難救助訓練には、マネキン人形を使う。完璧ではないが、これが今できる精一杯のことだと話す。

ベルザンスキー氏は全米各地の非営利団体とも協力して、水の安全に関する基礎知識を教える授業を小学校で行っている。この先何カ月も、子どもたちが水泳指導を受けられないことを考えるとゾッとすると、ベルザンスキー氏はいう。「毎年数万人の子どもたちを指導しているのに、今はそれが全くできません。子どもたちは、水に入る際の安全知識を学ぶ必要があるのです」

これから本格的なシーズンが始まる競泳大会は、軒並みキャンセルされている。バージニア州のアサティーグ海峡を泳いで渡る野生馬のレースまでもが中止になった。レース主催者によれば、レースの中止は、第2次世界大戦後初めてのことだという。なお、米国水泳連盟が20年3月に予定していたオリンピック予選も、東京オリンピックの延期が決まった直後にキャンセルされた。

子どもたちの地域水泳リーグも、今年の夏は全米でキャンセルが相次いでいる。サウスカロライナ州ノースチャールストンには22チームから成るリーグ戦があり、50年前から夏の目玉イベントになってきた。そこでコーチをするブレンダ・リンジ氏は、たとえ屋外であっても、狭いプールサイドに子どもや観戦する親たちが密集するなかでの開催は難しいと話す。

米国水泳連盟は、プールが開いたらせめて練習だけでも再開させたいチームのために、感染対策案のリストを作成して配布した。その内容を見ると、シャワーは自宅で浴びる、ロッカールームを使用しない、複数人で集まらない、握手をしない、ハイタッチをしないといった提案が並んでいる。社会的距離を確保するために、選手と選手の間をどのくらい空けるかを示すチャートも作成した。だが、メダルを狙う選手だけでなく、ただ仲間と一緒に水泳を楽しみたい子どもたちは、今年の夏をどう楽しんだらいいのだろうか。

「もっともな質問です」。こう話すのは、米国水泳連盟のジョエル・シノフェルド氏だ。

当初、シノフェルド氏も他のスタッフも、年長の子どもたちがしっかり社会的距離を取って小さな子どもたちの手本になってくれるだろうと期待していたが、うまくはいかなかった。「年長の子どもたちのほうが、チームメイトたちと抱き合ったりしてしまうんです」(シノフェルド氏)。今はビデオ会議アプリを使って、陸上でできる訓練をしたり、アイスクリームパーティを開いたりしているという。

(文 CYNTHIA GORNEY、訳 ルーバー荒井ハンナ、日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック ニュース 2020年5月31日付]

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