コロナショックで起業に厳しい時代に

著者の見立てでは起業をめぐる状況は、これから厳しい環境に入っていく。ベンチャーキャピタルなどの投資姿勢が慎重になりつつあり、コロナショックも相まって2~3年は冷酷な淘汰の波が続くとみる。そういう状況では、スケールアップを目指した野心的な起業ではなく、「幸せの連鎖を生むサステナブルな起業」がトレンドになるのではないかと著者はいう。ミレニアル世代が起業の主役になるとき、そんな新しい感性がビジネスの世界にも広がっていくのではないかと著者は期待も込めて述べる。「独特の視点があっておもしろい本。正面から未来を予測するものより、コロナショック後のビジネス界の変化を先取りできるかも」と同店でビジネス書を担当する西山崇之さんは話す。

テレビやユーチューブ発でロングセラーが浮上

それでは先週のベスト5を見ておこう。

(1)食の力 ニューミール政策南部靖之編(財界研究所)
(2)改訂版 金持ち父さん貧乏父さんロバート・トヨサキ著(筑摩書房)
(3)「新型コロナ恐慌」後の世界渡辺哲也著(徳間書店)
(4)FACTFULNESSH・ロスリングほか著(日経BP)
(5)金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラントロバート・トヨサキ著(筑摩書房)

(紀伊国屋書店大手町ビル店、2020年5月25~31日)

1位はパソナグループ代表の南部靖之氏による編著。健康寿命と食事など食をめぐって医師や研究者、専門家とともに考えた本だ。2位と5位にロングセラーのお金の教科書「金持ち父さん貧乏父さん」シリーズの2冊が入った。お笑いコンビ、オリエンタルラジオの中田敦彦氏がユーチューブで取り上げたことで上位に浮上したようだ。3位はコロナショック後の世界経済を予測した本。4位に『FACTFULNESS』。NHKの番組に翻訳者の一人が出演したことで再浮上した。今回紹介したイノベーション企業の本は新書のランキングで3位だった。

(水柿武志)

業界破壊企業 第二のGAFAを狙う革新者たち (光文社新書)

著者 : 斉藤 徹
出版 : 光文社
価格 : ¥902 (税込み)

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